2013年9月上旬
地中に営巣するヒメスズメバチ(Vespa ducalis pulchra)コロニーの定点観察
▼前回の記事はこちら▼巣口の横に15cm定規を置いて、出入りするワーカー♀の飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
地中の巣に離着陸するヒメスズメバチ♀【ハイスピード動画】
その気になれば、映像からハチの飛行速度が割り出せるかもしれません。
外役から戻ったワーカーは巣口の上空でゆっくり停空飛翔(ホバリング)し、見慣れない定規を不審そうに見下ろしています。
蜂は自分が戻るべき巣の位置を予め周囲の手がかりと合わせて視覚記憶しています。
例えば、苔むした地面で巣口を縁取るように生えている白いキノコ(地衣類?)を蜂は帰巣時に目印の一つとしているかもしれません。
(それを証明するにはキノコの除去実験や移植実験を行う必要があります。)
したがって近くに異物があると戸惑ってしまうようです。
ホバリングしながら頭をキョロキョロ動かしてカメラ目線をくれる個体もいました。
西日を浴びて停空飛翔する勇姿が美しいですね。
蜂に個体標識すれば帰巣ルート等の癖(個体差)を調べられたかもしれません。
定規に着陸することも稀にありました。
違和感を覚える定規を蜂が取り除いたり噛みついたりする行動は見られませんでした。
巣口を塞ぐように定規を置き直せば、さすがに除去したと思います。
冒頭の動画は単純に時系列順で編集したものです。
同じ素材から帰巣シーンおよび出巣シーンを別々に分けた動画も制作してみました。(ブログ限定公開)
▼出巣
▼帰巣
数時間後、定規に慣れてくれた頃を見計らって、定規を取り除いてみました。
すると無駄な停空飛翔が無くなり、蜂は迷わずスムーズに帰巣するようになりました。
適応能力が高いようで、巣口周辺の状況を新たに覚え直す定位飛行を行ったりしないのは少し意外でした。
動画および詳細はこちら。
つづく
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