2012年3月下旬
雪の残る低山でゴジュウカラの定点観察を終えて帰り支度をしていたら、一羽の見慣れない野鳥が近くにやって来ました。
帰ってから野鳥図鑑をめくって調べても、なかなか正体が分かりません。
シロハラにしては変かな?と迷った挙句、ようやくルリビタキ(Tarsiger cyanurus)の♀タイプと判明。
コンパクト図鑑にはルリビタキの派手な♂の写真しか載っていないというのは問題です(地味な♀も載せてくれないと!)。
『鳥のおもしろ私生活』p180によると、
この鳥は警戒心も弱くて愛らしいし、冬枯れの林道脇の身近な存在だ。 ♂が青くなるのに約2年かかるらしい。若い♂は♀と同じような色のまま繁殖する。♀や若鳥は尾だけが青い。
林道沿いに生えたヤマウルシの実を啄んでいます。
少し飛んで移動すると、 アカマツ・カラマツ混合林の林床に生えたウルシ幼木の枝に止まりました。
垂れ下がった小枝に鈴なりになっている白い実を一粒ずつ採食しています。
啄む際は枝に一瞬ぶら下がる姿勢になったりホバリングしながら採食することもあります。
小鳥にしては余り警戒しないようで何度もカメラ目線をくれました。
小雪がちらつく中、ときどき寒風に煽られ羽毛が逆立ちます。
食事が済むと、一瞬雪面に降りてから隣の木の枝に飛んで移動。
尾羽を小刻みに上下しながら顔はキョロキョロ。
長い休息の末にようやく飛び立ちました。
後半3:50-の映像は食後に木の枝に止まっているだけなので、お急ぎの方はスキップして頂いて結構です。
枝に止まったまま脱糞しました(@5:41)。
樹種を同定するため、撮影後に実の付いた枝を採集しました。
【追記】
葉の形からヌルデは除外できました。
ヤマウルシだと思います。
上田恵介 編『種子散布 助けあいの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子』によると、
ウルシ属の仲間は、種子の表面が脂肪を主成分とした蠟物質で覆われており、比較的多くの鳥に採餌される雌雄異株の樹木である。 (p57より引用)
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