2012年1月下旬・気温4℃
雪がしんしんと降りしきる中、雪山の斜面を遊動する野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れに遭遇しました。
集落の裏山を少し登った標高480m地点で、沢筋の斜面になっています。
雑木林を構成するのは多分ミズナラあたりで、斜面上部はアカマツが多く生えています。
初めは左手から猿が続々と現れ、斜め右下に雪の斜面を横切るように下りて来ました。
木の陰に見え隠れしながらニホンザルが行き交う様子が観察できました。
互いに鳴き交わす静かなクーコール♪や悲鳴がときどき聞こえます。
特に縦列は作らず、各自が自由に(?)遊動しているように見えます。
なぜか一頭が逆行して斜面をトラバースして登り始めました。
上空でカラスが鳴くと、ある猿は一瞬怯んだように立ち止まって見上げました(@1:11)。
一頭の猿が細い立木にするすると登り、樹皮を齧り取って(採食)から枝に腰掛けました。
奥の木に先客が居て、見事な木登り術を披露してくれました。
雪山で行動中の猿が休む際は、尻だこがあるとは言えども雪面には座らず木に登って休むことが多いそうです。
きびしい寒さの冬には、サルたちも、冷たい雪のつもった地表には、あまりおりたがりません。(『ニホンザル観察事典』p32 より)
左手からトラバースしてきた個体(@5:55-)が首輪を付けています。
針金のアンテナが延びているので電波発信器(GPS首輪?)と判明。
テレメトリー調査対象の個体らしい。
先程まで樹上に居た一頭がするすると木から下りました(@6:59)。
雪の斜面を左上に登って行きました。
樹上に残された2頭は枝の樹皮を齧っているようです。
長時間眺めていても群れ全体がどちらに向かっているのか、遊動方向がどうも判然としませんでした。
斜面右下へと斜行して下る者と、逆に左上へ登る者が居ます。
特定の個体が右往左往(行ったり来たり)していたのかどうかも不明です。
これだけ大きな群れに遭遇すると、あちこちで色んな動きがあるので目移りしてしまいます。
斜面の端で腰を据えてそっと撮影する私の存在をニホンザル達が意識して、本来行きたかった遊動経路に影響したのだろうか。
一つの群れではなくて実は小群に分かれているのかもしれませんが、個体識別しないことには分かりません。
最終的に群れはみんな右手の方に移動したようです。
そう言えば、子猿をおんぶして運ぶ子連れの♀が全く映っていませんね。
既に通り過ぎた後なのかな?
(冬の採食行動篇につづく)
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