2025/03/26

鳥媒花のボケで採餌するセイヨウミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:20頃・晴れ 

山麓の農村部で道端に植栽されたボケ(木瓜)の赤い花にセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が何匹も集まって訪花していました。 
早春に咲くボケは典型的な鳥媒花のはずなのに、昆虫の送粉者が訪花していたことに驚愕し、とても興奮しました。 
関連記事(4、5年前の撮影)▶  

後脚の花粉籠が空荷の個体もいれば、黄色い花粉団子を付けて運んでいる個体もいます。 
のどかな農村部は静かなので、耳を澄ますと蜂が飛び回る羽音がかすかに聞こえます。 
キジ♂がケンケーン♪と母衣打ちする鳴き声もかすかに聞こえました。 

ときどき2匹のミツバチが同じボケの花でニアミスすることがありました。 
どうやら同じコロニーから来た仲間のようで、1/5倍速のスローモーションでリプレイしても小競り合いや占有行動は見られませんでした。 

ボケの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:22〜) 
訪花の合間に空中でホバリングしながら左右の脚を擦り合わせています。 
体毛に付着した花粉を身繕いでまとめて、後脚の花粉籠に移すのです。 


【考察】
この時期の虫撮り動画で一番興奮した大事件です。
図鑑や送粉生態学の教科書に書かれている「ボケは典型的な鳥媒花である」という定説に対する反例が撮れました。 
ミツバチの視覚に赤色はあまり見えていないはずなので、花弁が赤い品種のボケに訪花しているのは、とても意外です。 
撮影後にボケの花を直接嗅いでみて、芳香がないことを確認しました。 
セイヨウミツバチが新たな蜜源植物を学習によって開拓しつつあるのでしょうか? 
それともボケが鳥だけでなく昆虫も誘引するように進化しつつあるのでしょうか? 
急速に進行する温暖化の影響でフェノロジー(花暦・生物季節学)が撹乱され植物と送粉者の結びつきが失われると、両者にとって死活問題です。
何かしら進化・適応しない種は、滅亡するしかありません。 
特定の種類の送粉者に依存してしまっている植物は、リスクヘッジする(送粉者の多様性を高める)方向に進化しないと、絶滅のリスクが高いでしょう。
生物の進化スピードでは対応できないほど、人類によってもたらされた地球温暖化のスピードが急激過ぎる点が大問題なのです。

そもそも鳥媒花と虫媒花は排他的な関係ではないのかもしれません。
教科書では分かりやすく伝えるために「ボケは鳥媒花」と言い切っていただけで、実際は鳥が訪花することも虫が訪花することもあるのでしょう(確率が高いか低いかの問題)。




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2025/03/25

春の刈田で落穂拾いするドバト♀♂(野鳥)

 

2024年4月中旬・午後15:20頃・晴れ 

早春の田んぼで♀♂ペアと思われる2羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が採食していました。 
田んぼに水を入れる前の刈田を歩き回りながら、あちこち啄んで落穂拾いをしているようです。 
ペアが互いに少し離れていたので、同じ画角で撮れませんでした。 
1羽に注目して動画を撮影していたらパートナーが先に飛び立ち、その羽音に反応してこちらの個体も飛び去りました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:21〜) 
飛び立つ直前にピョンと跳んで90°向きを変えてから、力強く羽ばたいて飛び去りました。 


関連記事(8、9年前の秋に撮影)▶  

早春の溜め糞場で小便するニホンカモシカ♂【トレイルカメラ】

 



2024年4月上旬〜中旬

シーン0:4/3・午後15:23・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
雑木林に覆われた里山の斜面でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
画面の中央付近に古い糞塊が残されています。 
基本的に画面の奥から手前に向かって斜面が登っていますが、溜め糞場sr2付近は、ほぼ平坦になっています。 
画面の右端および奥の林床に残雪がわずかに見えます。 


シーン1:4/6・午前5:33・(@0:03〜)日の出時刻は午前5:14。 
早朝に右奥の獣道から単独で来たカモシカの成獣が、アカマツ(右)とスギ(左)の間で溜め糞場sr2の匂いを嗅いでから立ち止まると、腰を少し落として膀胱に溜まった小便を長々と排泄しました。 
音量を上げても、小便の音は聞き取れませんでした。 
排尿姿勢を真横からしっかり撮れたおかげで、性別が♂と判明しました。 
カモシカの♀は、もっと深くしゃがんで排尿するらしい。 
【参考】平田貞雄『ニホンカモシカ・ミミの一生』p80写真 


用を足したカモシカ♂は、左奥に行くと立ち止まって高いスギ枝葉の匂いを嗅ぎました。 
顔を擦りつけて眼下腺マーキングするかどうか見届けたかったのですが、録画が1分間で打ち切られました。 
後ろ姿の股間に睾丸は見えませんでした。 
実はスギ立木の左下にも、カモシカの糞塊が複数あります。 

ニホンカモシカ♂の排尿シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:03〜) 
お尻付近をよく見ても、排尿しながらついでに糞粒を肛門からポロポロと排泄することはなかったようです。 
後日に現場検証しても、その地点に新鮮な糞粒は残されていませんでした。 

関連記事(1年前に別の地点で撮影)▶ 溜め糞場で排尿するニホンカモシカ♂【トレイルカメラ】 


シーン2:4/11・午後16:46・(@1:51〜)日の入り時刻は午後18:14。 
5日後の夕方に、カモシカが奥から手前へと獣道を登って来ました。 
今回は溜め糞場sr2を素通りしています。 
落枝をまたぎ、手前の斜面を登って監視カメラの死角に消えました。 

前後半で同一個体のカモシカ♂かどうか、個体識別できていません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



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