2023/03/21

カクトラノオの花畑で激しく喧嘩するキイロスズメバチ♀【占有行動?】

 

2022年9月下旬・午後15:40頃・くもり 

川沿いの庭先の花壇に咲いたハナトラノオ(別名カクトラノオ)の群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が何匹も忙しなく飛び回っていました。 
獲物を探索しているのでしょう。
探餌飛翔で空腹になった個体はカクトラノオの花序に着陸すると、唇形花に正当訪花を繰り返して花蜜を吸っています。 
吸蜜後に唇形花の狭い花筒から出てくると、胸背が白い花粉まみれになっています。 
次の花に潜り込んだら、その花粉が雌しべに付き、キイロスズメバチはカクトラノオの授粉を手助けしていることになります。 (送粉者)

関連記事(11日前の撮影)▶ カクトラノオの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀ 

しばらく観察していると、キイロスズメバチ♀は互いに攻撃し合っていることが分かりました。 
訪花後の個体が次の花序へ飛び去ろうとすると、近くを飛んでいた別個体が急いで追撃し、軽い空中戦になります。 
花畑で動く虫なら何でも獲物と誤認して(たとえ同種でも)反射的に飛びついてしまうのでしょうか? 

また別のワーカー♀aの吸蜜シーンを撮影していると、背後から飛来した別個体♀bが急に襲いかかりました。 
そのまま先客♀の背中にマウントしたので、♂が♀に交尾を挑んでいるのかと思いきや、雄蜂♂ではありませんでした。 
獲物と誤認して飛びかかったのなら、すぐに誤りに気づいて相手を離すはずです。
しかし♀bは大顎で♀aの体や脚に何度も執拗に噛みつこうとしています。 
しかしキイロスズメバチの体表のクチクラは固くて、歯が立ちません。 
ちなみに、スズメバチは狩りや喧嘩の際に毒針は使いません。 
不意打ちを食らった♀aは花に伏せているだけで、全く反撃しないのが不思議でした。 
アシナガバチの巣内で行われる優劣行動を彷彿とさせます。 
最後は2匹もろとも、花から地面にボトッと落ちました。 
1匹はすぐに立ち直って、また花壇を飛び回ります。 

キイロスズメバチ♀の探餌飛翔と同種間抗争を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:31〜)
 おそらく、別々のコロニーから来たキイロスズメバチ♀同士が蜜源・狩場を独り占めしようとハナトラノオの花畑を巡って戦っているのでしょう。(占有行動) 
秋はスズメバチの個体数が増えるのに餌が少なくなりますから、飢えて殺気立っています。
私はこの日たまたま黒色のポロシャツを着用していたので、キイロスズメバチの気を逆撫でするのではないかと心配だったのですが、撮影中に私を攻撃(八つ当たり)してくることはありませんでした。

2023/03/20

スギ林道の溜め糞場にホンドタヌキのペアが初めて一緒に現れ排便【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬・午後1:46・気温17℃ 

トレイルカメラで監視している里山スギ林道の溜め糞場sに、初めてホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がペアで登場しました。 
いつもは一頭ずつ別々に登場するので、珍しい出来事です。 
♀♂ペアだとしたら、子育てがようやく一段落したのでしょうか?

まず林道を右から歩いて来たのは「垂れ尾」です。 
後続の個体は「フサ尾」でした。 
フサ尾はスギ大木の根本の匂いを嗅いだ後に、排尿マーキングしたような気がするのですけど、どうでしょうか? 
片足(右後脚)を持ち上げてオシッコしたように見えたのですが、アングルがいまいちで定かではありません。 
たまにヒトが立ち小便する木なので、タヌキも対抗して小便で縄張りをマーキングするのでは?という推測(願望)です。 

その直後にフサ尾は地面に積もったスギの落葉に鼻を突っ込んで匂いを嗅ぎました。 
何か虫を見つけたのでしょうか? 
その辺りはアナグマが糞を撒き散らす場所なので、その匂いに反応しているのかもしれません。 

その間、垂れ尾は画面の手前をウロウロしています。 
フサ尾と出会うと暗闇で鼻を突き合わせて挨拶しました。 
(鳴き声は聞き取れませんでした。) 
垂れ尾がようやく自分たちの溜め糞場に跨ると、左を向いて(北向き)軟便を排泄しました。 
フサ尾は便意を催さなかったようで、垂れ尾を追い越して先に左へ立ち去りました。 
用を足した垂れ尾もパートナーの後を追います。 

私が予想した通り、垂れ尾とフサ尾は♀♂つがいと判明しました。
関連記事(2ヶ月前の撮影)▶  
スギ林道の溜め糞場で夜な夜な排便するホンドタヌキのペアは尻尾で見分けられる?【トレイルカメラ:暗視映像】 
スギ林道の溜め糞場で夜な夜な排便するホンドタヌキのペアは尻尾で見分けられる?#2【トレイルカメラ:暗視映像】
タヌキに詳しい人なら体格で性別が分かるのでしょうか? 
私には見分けられませんが、垂れ尾の方が下半身が肥えている気がします。(なんとなく♀?) 


フサ尾が小便を木にひっかけたかどうかに私が拘ったのは、タヌキの排尿姿勢で性別が分かるからです。




【追記】 
2頭のタヌキが行動を共にしているからと言って、♀♂ペアとは限らないかもしれません。 
若い兄弟姉妹の可能性は? 



ハルジオンの花蜜を吸うサカハチチョウ春型

 

2022年6月中旬・午後14:00頃・くもり 

車が通れるように砂利が敷かれた山道の横にハルジオンが疎らに咲いています。
そこに春型のサカハチチョウAraschnia burejana)が訪花していました。 
半開きの翅を緩やかに開閉しながら吸蜜していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 
花から飛び立つまで待ちきれなくて、撮影を打ち切りました。 

隣のハルジオン頭花ではホソヒラタアブの仲間も訪花していました。 
ホバリングしたり、2匹が軽い空中戦を繰り広げたり(もしや求愛と交尾拒否?)と何やら面白そうな行動なのに、サカハチチョウに集中していた私は撮影中ホソヒラタアブには気づきませんでした。 

このときハルジオンの隣にはヒメジョオンも咲いていました。 
その後も現場を通りかかるたびに見ていたところ、季節が進むとハルジオンからヒメジョオンへと群落が交代していたのが興味深く思いました。

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