2020/02/22

河原の砂地に産卵するウラギンヒョウモン♀



2019年9月下旬・午後14:17・晴れ

岩がゴロゴロした河原でウラギンヒョウモン♀(Fabriciana adippe)が翅を軽く開閉しながら歩き回り、腹端で地表の状態を探っています。
立ち止まると腹端を砂地に軽く突き立てるようにして産卵を始めました。
飛んだり歩いたりして少し移動してから再び砂地で産卵しています。
河原に咲いたカワラハハコなどに訪花するのではなく、産卵を繰り返していました。

ウラギンヒョウモン幼虫の食草はスミレ類のはずです。
春になったらここにスミレが生えてくるのでしょうか?
ぜひとも確認しに来ないといけません。
川沿いに生えるスミレとして、例えばケイリュウタチツボスミレという種類があるそうです。
しかし、この現場は渓流とは言えず、上流域から中流域に移行する辺りだと思います。

私は未だウラギンヒョウモン♀が食草のスミレに産卵するシーンを観察したことがありません。
花が咲き終わると私にはスミレが見分けられなくなるのが問題です。

▼関連記事(3年前の撮影)
農道の枯草に産卵するウラギンヒョウモン♀

ウラギンヒョウモン♀翅裏@河原砂地+産卵
ウラギンヒョウモン♀翅表@河原砂地+産卵
ウラギンヒョウモン♀翅裏@河原砂地+産卵

2020/02/21

倒立姿勢で暑い日差しを避けるナツアカネ成熟♂♀



2019年9月中旬・午後14:05頃・晴れ

道端で立ち枯れした草の天辺に多数の赤とんぼがずらっと並んで止まっていました。
横から見ると、ナツアカネ♂が(Sympetrum darwinianum)倒立のような見事なオベリスク姿勢で止まっていました。
腹部の尾端を高々と持ち上げるのは、日差しが強くて暑い夏によく見られる体温調節(避暑)の行動です。
尾端を太陽に向けて体に直射日光が当たる面積を極小にしようとするそうです。
実際に非接触式の赤外線温度計でナツアカネ♂が止まっている枯草の温度を測定してみると、直射日光を浴びているためか40.8℃もあって驚きました。
それほど暑いのならなぜ我慢せずに日陰に入らないのか、いつも不思議でなりません。
頭部をグリグリ動かし、周囲を油断なく監視しています。
獲物となる昆虫や交尾相手の♀が縄張りに飛来するのを待ち伏せしているのでしょう。

次に登場するのは、隣の枯草の天辺で休んでいた♀です。(@0:47〜)
この個体は一度飛び立ってもすぐに同じ場所に舞い戻ってきました。(縄張り占有行動)
しばらくすると翅を深く下げて休みます。
右前翅の先端が欠けていました。
腹端を斜め上に向けた状態で♀が止まった枯草の温度を測ると33.5℃でした。

たった2匹を調べただけですけど、予想通り周囲の温度が高ければナツアカネのオベリスク姿勢の角度が増すようです。(比例関係?)
撮影時刻の太陽の高さの角度も調べる必要がありそうです。
現場で私自身の影を写真で撮影しておくべきでしたね。
ちなみに国立天文台:暦計算室のホームページを参照すると、この日の山形市における太陽の南中時刻は午前11:34で、高度54.7°と公表されています。
気温やアスファルトの路面温度も測るべきだったのに忘れてしまいました。

※ 撮影後に各個体を捕虫網で一時捕獲し、ナツアカネ♂♀であることを確認しました。

それにしても、同種の♀がすぐ隣で休んでいるのに、なぜナツアカネ♂は交尾を挑まないのでしょうか?
存在を見落としているだけなのか(灯台下暗し)、それとも暑過ぎる昼下がりの時間帯は配偶行動をする気にならないのかな?


ナツアカネ成熟♂@枯草天辺+オベリスク姿勢
ナツアカネ成熟♀@枯草天辺+オベリスク姿勢

トビイロスズメ(蛾)の幼虫を手に乗せてみる



トビイロスズメ(蛾)幼虫の飼育記録#5



▼前回の記事
トビイロスズメ(蛾)幼虫の排便【10倍速映像】

2019年9月下旬・室温24.3℃・湿度57%

飼育しているトビイロスズメClanis bilineata tsingtauica)の幼虫を新鮮な食樹植物に移してやるついでに、私の手のひらに載せて徘徊する様子をハンディカムで動画撮影してみました。
採寸代わりにこの映像を見れば幼虫の大きさが実感できるでしょう。
丸々と太ったイモムシを軽く摘んだり触れたりしても鳴き声を発しませんでした。(幼虫の種類によっては発音することが知られています。)


花瓶に挿したニセアカシアの葉がわずか1〜2日で急激に萎れてくるので、新鮮な枝葉を頻繁に採取してくる必要があります。
ニセアカシアの水揚げがあまりにも悪くて調達が面倒なので、萩に切り替えてみることにしました。
近隣でようやく見つけたマルバハギの枝葉を採取し、試しにトビイロスズメ幼虫に与えてみました。
本種の食樹リストにハギ類が含まれているのに、なぜかこの個体はマルバハギの葉に全く食いついてくれず、探索・脱走を繰り返すばかりです。
ニセアカシアに比べてマルバハギの葉は小さくて、食べ甲斐が無いのでしょうか?
マルバハギの花は完全に散っていて、実が出来つつある状態でした。
諦めてトビイロスズメ幼虫をニセアカシアの枝葉に戻してやると、途端に小葉を貪り食い始めました。
やはり頑張ってニセアカシアの枝葉を1日おきに取りに行くしかなさそうです。

つづく→#6:動かなくなったトビイロスズメ(蛾)幼虫の生存確認【100倍速映像】


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