2019年9月中旬・午前11:10頃
交尾中のミヤマアカネ♀♂(Sympetrum pedemontanum elatum)が川沿いのコンクリート護岸の斜面に止まっていました。
私が近づこうとすると警戒し、尾繋がりのまま少し飛んで移動しました。
(冒頭は飛翔シーンの1/5倍速スローモーション。)
交尾ペアは更に少し飛んで移動すると、水際に生えた垂直に伸びた枯れ茎に止まり直しました。
♀は腹端を♂の副性器に結合していて、2匹はトンボに特有のハート型の交尾姿勢になっています。(※追記参照)
♀は全体重を♂に預けていて、6本足で♂の腹部にしがみ付いています。
♂は交尾中も頭部をグリグリ動かして周囲を油断なく見回していました。
背後に見える小川には小魚の群れが泳いでいました。
※【追記】
昆虫学者はこれを環状交尾態と呼ぶ。
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ミヤマアカネ♀♂:側面@交尾:枯茎 |
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ミヤマアカネ♀♂:背面@交尾:枯茎 |
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ミヤマアカネ♀♂@交尾:枯茎・全景 |
2019年9月中旬
▼前回の記事
トビイロスズメ(蛾)の幼虫を見つけた!
トビイロスズメ(蛾)幼虫の飼育記録#2
飼育下でトビイロスズメ(Clanis bilineata tsingtauica)の幼虫がニセアカシア(別名ハリエンジュ)の小葉を食べる様子を微速度撮影で記録してみました。
30倍速の早回し映像でご覧下さい。
(退屈な食休みのシーンは編集でカットしています。)
小枝の下側に腹脚でしがみついた幼虫は、葉の縁を左右の胸脚で挟んで前進しながら蚕食します。
食事中にも脱糞します。
小葉を完食すると、葉柄も食べ尽くしました。※
やがて小枝が丸坊主の状態になると、次の葉を求めて探索を始めました。
※ イモムシが食餌植物の葉柄も食べ尽す理由について、無駄無く食べているのだろうと私は思っただけで深く考えたことがありませんでした。
別件の調べ物でベルンド・ハインリッチ『生から死へ、死から生へ:生き物の葬儀屋たちの物語』という本を読んでいたら興味深い説(対捕食者戦略)が書いていました。
(スズメガの)幼虫のあまり動かない習性と動きの遅さも、一つの適応である。動かなければ動かないほど、這うのがゆっくりであればあるほど、動きを合図としてそのような獲物を情け容赦なく狩る捕食者たちに見られにくくなるだろう。(中略)芋虫は葉の端切れを残さないように食べるが、葉が残っていれば鳥たちに居場所の手がかりを与えるだろう。次の葉に這って行く前に、最初の葉の残りを葉柄のところでかみ切って、食べた跡を消し去る。 (p224-225より引用)
つづく→#3:眩しい朝日を避けるトビイロスズメ(蛾)幼虫【10倍速映像】
↑【おまけの映像】
オリジナル素材の10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。