2012/03/08
雪面を動く雑木林の影【微速度撮影の習作】
2012年2月上旬・気温5℃→2℃
スノーシューを履いて里山に登りました。
お昼ご飯を食べる大休止のついでに、微速度撮影にトライ。
気持ちのよい晴天だったので、雑木林の雪面に木々の影が日時計のように動いていく様子を作品にしてみました。
三脚を立てて20秒間隔のインターバル撮影を行いました。
仕上がりの映像(100倍速)を見ると、もう少しインターバルを密にしても良かったですね。
撮影時間の1時間で影は15°(=360°÷24h)動くはずです。
インターバル撮影中は影の動き(地球の自転)を実感できませんでしたが、近くの木の影をなぞって雪面に印を付けてみると時間経過と共に確かに影が移動していました。
ところが残念ながら次第に雲が増え、後半は影が消えてしまいました。
天気予報通り、昼過ぎから天気は下り坂に。
午後もずっと晴れてくれれば、夕方の西日で影が伸びてくる様子も撮りたかったです。
撤収前に別撮りした動画から自然の音を抜き出して作品のBGMとしました。
静かな雪山で耳を澄ますと、木の枝からドサッと落雪する音や溶けた雪がポタポタ滴り落ちる水音、上空を飛ぶ飛行機、野鳥の鳴き声などが聞こえてきます。
2012/03/07
ニホンザルが樹上で排便し、雪山を登る
2012年1月下旬
大雪が降りしきる中、スノーシューを履いて雪道を登っていると、遠くからサルの叫び声が聞こえてきました。
辺りを見渡すと、谷(車道※)を挟んで向こう側の急斜面にニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れを発見。
(映像はここから。)
斜面に生えた立ち木の枝に一頭の猿が腰かけています。
樹上でモリモリっと糞を排泄しました(@00:15)。
ズームアウトしたら折悪しく猿が木から下りたようです。
木から下りた猿は群れを追って、雪と潅木で覆われた急斜面を登り始めました。
ラッセルの途中で立ち止まって振り返り、私と目が合いました。
軽快な足取りで登って行きます。
私も群れを追跡しようと、急いで林道をラッセルして少し駆け上がりました。
息せき切って谷の向こう側を振り返ると、一頭のニホンザルが雪の斜面を登り、子猿?が樹上で休んでいました。
※ 同じ日の帰りにこの車道に戻って調べると、雪面の足跡からニホンザルは車道を横断して除雪された絶壁をよじ登って山に入ったことが分かりました。
群れの遊動域が車道で分断されているようで、気の毒な状況です。
2012/03/06
食べかけの熟柿を咥えたままのハシボソガラス【冬の野鳥】
2012年2月上旬
朝、出かけるときに電線に止まったカラスの群れを何気なく見上げると、一羽のハシボソガラス(Corvus corone)が嘴に何かを咥えていました。
カメラでズームして口元を見ると、どうやら熟柿の欠片のようです。
どうしてすぐに食べないのだろうと不思議に思いました。
朝の寒さでカキの実がシャーベットのように凍りついているのだろうか?
鳥は歯が無いので知覚過敏とは無縁な筈です。
好物は最後まで取っておく性格の個体なのかな?
もしかすると求愛給餌の準備なのかもしれない、と思いつきました。
カラスはそのまま山の方に飛び去り熟柿を運んで行きました。
どこかに貯食するのでしょうか?
求愛給餌(きゅうあいきゅうじ)
獲物を求愛相手に差し出すことで行う求愛行動。一般に、雄から雌に対して行い、雌が受け取ることで求愛を受け入れたことを示す。(wikipedia「鳥類用語」の項より)
帰ってからインターネットで検索してみると、確かにカラスも求愛給餌を行うようです。
しかし、果たしてこんな厳冬期に繁殖や子育てをするのだろうか?…と思ったら、3月の雪の日にハシブトガラスの求愛給餌を観察した方のブログを見つけました。
【追記】
『カラスは街の王様だ』p167によると、二月は繁殖期に入り、テリトリー意識が強まる頃なのだそうです。
『スズメの少子化、カラスのいじめ:身近な鳥の不思議な世界』p115によると、カラスの求愛給餌は早春に始まるらしい。東京では2月中旬に見られるとのこと。
【追記2】
ふつうの鳥は果実をその場で飲み込む食べ方しかしない。
しかしハシブトガラスは、果実をクチバシにくわえて持ち去ることで、一口では飲み込めないような大きな果実も持ち去っている。
ハシブトガラスが持ち去る果実(ミツバアケビやビワなど)は生もので貯えてもすぐに腐ってしまう。
そのため、持ち去ってからすぐに食べていると考えられる。
(直江将司『わたしの森林研究―鳥のタネまきに注目して』p119より引用)
ハシブトガラスは体重が500グラムもある。(中略)
そのため、小鳥たちが飲み込めないような大きな果実を食べて、その種子を散布している可能性がある。
もしそうなら、森林改変によって大きな果実の散布者である哺乳類がいなくなっても、ハシブトガラスがその役割をある程度肩代わりしてくれるかもしれない。
(同書p108 より引用)
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