2021年10月中旬・午後14:05頃・くもり
里山の尾根道を歩くセンチコガネ(Phelotrupes laevistriatus)と出会いました。(標高約650m地点)
地面に開いた巣穴から外に出てきたばかりのようです。
産卵を終えた♀なのか、それとも♀との交尾を終えた♂なのか、どちらでしょう?
捕獲して性別をしっかり調べるべきでした。
せかせかと歩いて穴から遠ざかります。
もう二度と巣穴には戻らないはずですが、巣口を埋め戻さないのが不思議です。 (♂なのかな?)
まさか巣穴から羽化したばかりの新成虫なのでしょうか?
尾根道の真ん中に開いた巣穴にズームインしてみると、古い獣糞の直下に掘られていました。
撮影中は気づかなかったのですが、巣穴の奥で何か昆虫の脚が動いています。
センチコガネのパートナー♀が巣穴に未だ残っているかな?
次に機会があれば、巣穴を掘り出して産卵済みの糞玉の有無を確認するつもりです。
ゴム手袋や根堀を常に携帯する必要がありそうです。
糞の細長い形状からおそらくホンドテン(Martes melampus melampus)の糞(干からびている)だと思います。
未消化の植物の種子が含まれています。
あるいはもしかすると、ハクビシンの糞かもしれません。
なぜなら、この尾根道をハクビシンも利用しているからです。
▼関連記事(2か月前の撮影)
夜の山道を歩くハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】
【追記】
ファーブル写真昆虫記5『ふんの玉をころがす虫』でセンチコガネの生活史を復習してみました。
本書の文章はファーブルの記録を翻訳したものですが、添付された生態写真と巻末の解説は日本産の糞虫のものです。
・ 卵をうむとき、センチコガネは、ふん玉をつくりません。そのかわり、巣穴の底から途中までをふんでうめつくします。卵のへやは、底のほうにつくられています。
・ オオセンチコガネは、ふつう6月に卵をうみ、9月にあたらしい成虫が羽化します。(p47より引用)
今回は獣糞の量が少ないので、産卵用の巣穴ではなく自分で獣糞を食べるための隠れ家だったのかもしれません。
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