2019年7月下旬
この日の早朝に山麓で遭遇した野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れで観察できた格闘遊びのシーンをまとめてみました。(計3回)
殺気立った本気の喧嘩(闘争)が頻発する発情期は冬ですから、夏に見られる格闘はふざけ合いの遊び(プロレスごっこ)だと思います。
鋭い犬歯で本気で噛んだら大怪我するはずですが、この日に見た格闘では甘噛みに留めるというルールがあるらしく、流血沙汰にはなりません。
本気の喧嘩なら大声で悲鳴を上げるはずですけど、静かに格闘していました。
(周囲で絶え間なく鳴き続けるセミ時雨の高周波数のせいでニホンザルの鳴き声が聞き取りにくかったのかもしれません。)
闘争後に関係を修復したり緊張をほぐしたりするための宥和行動(毛繕いやプレゼンティングなど)はありませんでした。
こうした格闘遊び(スパーリング)を繰り返しながら群れ内の順位が次第に決まっていくのでしょう。
シーン1:午前7:05(@0:00〜)
里山の斜面で2頭が取っ組み合いをしています。相手を組み伏せると甘噛みしています。
起き上がると素人目にも体格差、年齢差があるようでした。
親子(母子)と言うよりも兄弟ではないかという気がしたのですが、性別を見分けられませんでした。
すぐ近くに居た別の2頭が合流し、 追いかけっこが始まりました。
追われた個体は木に登って逃げたようですが、手前の藪が邪魔でよく見えません。
シーン2:午前7:46(@1:13〜)
林縁の舗装路で2頭の子猿が格闘遊びをしています。喧嘩を止めて離れても、軽く追いかけっこしています。
林道を歩き去る後ろ姿で股間に見えるのが小さな睾丸だとすると、共に♂ですね。
遊動しながら文字通り道草を食っています。(採食行動)
画面右の斜面からさらに別個体が登場。
そのまま二頭が追いかけっこになり、激し目の取っ組み合いをしながら土手の斜面を滑り降りて行きました。
土手で首相撲のような格闘を少し続けてから、何事も無かったように別れました。
シーン3:午前8:17(@2:40〜)
画面左はハンノキ。それに隣接したオニグルミの樹上で1頭がスルスルと降りて来ました。
下の枝で別個体と出会い頭に格闘遊びが始まりました。
やはり甘噛みしています。
離れてから右の個体がツタの絡みついた幹を幹をどんどん降りていき、林床まで降りました。
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