2014年9月上旬
里山の雑木林でコナラの苔むした幹の根元付近でオオスズメバチ(Vespa mandarinia japonica)とモンスズメバチ(Vespa crabro flavofasciata)のワーカー♀が小競り合いしていました。
体格で圧倒的に勝るオオスズメバチがモンスズメバチを追い払うと(@〜0:05)、大顎で激しく噛み付いて苔を円形に剥ぎ取り樹皮を露出させました。
しかし、ここは樹液の出が悪かったようで離れました。
あちこち飛んで移動すると、苔むした幹で樹液の滲むスポット(樹液酒場)を探索しています。
おそらく樹液の微かな匂いを頼りに探し回り、あちこちで幹を覆う苔を試しに剥ぎ取っています。
苔を毟る作業中に腹端を少し持ち上げると、透明の液状便(尿)を勢い良く排泄しました。(@4:35)
オオスズメバチのおしっこを撮影できたのは、これが二度目です。
▼関連記事排尿したということは、それまで樹液を大量に吸汁していたと思われます。
ミズナラの樹液を吸いつつ排泄するオオスズメバチ♀
しかし私の目には、この幹から樹液が分泌しているようには見えません。
通常スズメバチは樹皮に噛み傷をつけて樹液の分泌を促すのですが、もしかするとこのコナラ幹では柔らかい苔に樹液が染み込んでいて、オオスズメバチ♀はそれを大顎でスポンジを搾り取るように吸汁しているのかもしれない…と想像を逞しくしてしまいました。
もし樹液が全く出ていないのなら、スズメバチは長居せずにすぐ立ち去るはずです。
樹液の匂いに惹かれて近づいてくるハエやクロアリ(種名不詳)をオオスズメバチ♀は嫌がり、牽制しました。
その場で短く羽ばたいて威嚇したり、強大な大顎を見せつけたりしています。
チャイロスズメバチ♀が守っている樹液スポットの付近を飛び回ったときは、不思議とオオスズメバチ♀は喧嘩を挑みませんでした。
樹液酒場でチャイロスズメバチの序列(力関係)はオオスズメバチに次いでナンバー2ですから、手強い相手だと認識しているのでしょうか。
このオオスズメバチ♀の腹端付近をよく見ると、スズメバチネジレバネ(Xenos moutoni)に寄生されているようです。
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ネジレバネに寄生されたオオスズメバチ♀がコナラの樹液を吸汁
※ どなたかこのコケ(苔)の名前をご存知でしたら教えて下さい。
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