2015/11/22

キアシナガバチ♀雨天時の排水行動



2015年7月下旬

キアシナガバチ巣の定点観察@トウカエデ枝#7


梅雨の末期で朝から雨が降っているため、キアシナガバチ♀(Polistes rothneyi)の排水行動を見たくて昼から様子を見に行きました。
巣の上にトウカエデの枝葉が茂っているせいで、雨が多少降っても巣が濡れることはないようです。
巣柄の固定された横枝は雨で濡れているものの、巣盤天井に多数の蜂が乗っているので巣はあまり濡れないようです。
晴天時よりも多くの蜂が巣に残り、巣盤を覆っています。

一匹のワーカー♀が育房の壁に巣材を付け足して高く伸ばしていました。
造巣が済むと念入りに身繕い。
育房を点検して回る間に♀同士で小競り合いがありました。(優位行動)
遂に、巣盤の右上で♀が口から水を吐き出して捨てる排水行動が見られました(@2:35)。
どうしてもアシナガバチの排水行動が見たくて、シャワーで巣に水を直接かけようか(水責め)と思ったぐらいでしたが、自然の行動が見れて満足です。

つづく→#8:夜に繭を紡ぐキアシナガバチ老熟幼虫【暗視映像】




【追記】
小林朋道『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学』という本を楽しく読んでいたら、セグロアシナガバチの観察記録で興味深い記述をみつけました。
雨の日には、ハチ(セグロアシナガバチ:しぐま註)たちはできるだけぬれないようにするため、競って巣の下面(育室が開口している面)に移動し、育室に頭を入れて雨をしのごうとした。巣の下面から、ハチのたくさんの腹部がぶら下がっている。 (p76より引用)
しかし、私はそのような雨宿り行動を実際には見たことがありません。
観察対象のアシナガバチの種による違いなのか分かりませんが、そもそも雨で濡れる位置に巣作りするようなコロニーは発展しないのではないかと私は思います。


トウカエデの幹にワラジムシを発見!

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