2012年3月下旬
ヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)の違う鳴き方を2種類、同じ日に至近距離から撮れたので紹介します。
雪がちらつく中を木の枝でヒヨドリが鳴いていました。
嘴を開け大音量で鳴いている際に舌が覗いて見えます。
こちらは聞き慣れた鳴き方で(ヒーヨ、ヒーヨ♪と長く伸ばす)、地鳴きだと思います。
遠くでもう一羽が鳴いている声がかすかに聞こえます。
嘴を開け大音量で鳴いている際に舌が覗いて見えます。
こちらは聞き慣れた鳴き方で(ヒーヨ、ヒーヨ♪と長く伸ばす)、地鳴きだと思います。
遠くでもう一羽が鳴いている声がかすかに聞こえます。
(同一個体かどうか定かではありません。)
いつもと違う鳴き声で、ヒヨヒヨヒヨ♪と早いテンポで繰り返しています。
私には性別を見分けられないのですが、繁殖期の囀り(さえずり)なのだろうか?
やがて急におとなしくなり辺りをキョロキョロ見渡したと思ったら、尿と糞を続けざまに排泄しました(@1:50)。
排便が済んでスッキリすると再び鳴き始めました。
後半の映像が若干不鮮明なのは、窓越しに撮ったせいです。
動画ファイルから音声部をwavに抽出して解析してみました。
こちらが前半の地鳴き。
毎回鳴き終わりに何やら特徴的な声紋が現れていますね。
一方、こちらが早鳴き(囀り?)のスペクトログラムです。
【参考】
音の標本箱(@千葉県立中央博物館)という素晴らしいサイトにて、録音されたヒヨドリの様々な鳴き声(地鳴き、囀り、ぐぜり、鳴き真似)が聞けるようになっています。
【追記】
『野鳥を録る:野鳥録音の方法と楽しみ方』p203によると、
各地で録音したヒヨドリの声を声紋で比較してみました。(中略)南へ行くほど声が高くなることがわかりました。 このような種類による地方の違い(=方言)も各地で、録音する人が増えて統計的に検証できるだけのサンプル数が収集できるようになれば、おもしろい結果が期待できる課題です。
また、同書p217によると、
ヒヨドリの声には3つのタイプがある。「ピィー、ピィー」「ヒィーヨ、ヒィーヨ」など、伸ばすものをタイプA。「ピィッ」「ピョッ」など短いものをタイプB。「ピィーピィルルルル」という、長い声をタイプC。タイプAは、鳴き合いでタイプBとも組み合わせることもあります。タイプBは、興奮したときや警戒のときに出すもの。タイプCは、機嫌のよいときの声で、浮かれ歌的だと分析しています。
『日本動物大百科4鳥類Ⅱ』p82によると、ヒヨドリは
多彩な声で鳴くため、さえずりと地鳴きの区別がむずかしい。
あまりにもありふれた鳥でバードウォッチャーには見向きもされないヒヨドリにも、まだまだ面白いことがあるようです。
【追記】
川内博『大都会を生きる野鳥たち―都市鳥が語るヒト・街・緑・水』によると、
「キャランキャランキャラン」アンテナの上でヒヨドリが歌っていた。「ヒーヨ」とか「ピーヒョロロ」とか「ヒィー」といった日ごろよく聞く声ではない。たぶんソング・ポストでのさえずりと思われる。 ヒヨドリのさえずりは、ウグイスやホオジロのようには明確ではない。それははっきりしたメロディーを持っていないためだが、この鳥が繁殖期に発するいくつかの声は、日ごろのそれと違い、スズメやシジュウカラのさえずりと一致する力強さが感じられる。 (p138より引用)
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