2022年9月上旬・午後19:35頃
里山の林道で水溜りのある区間を監視カメラで見張っていると、ある晩にニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)が通りかかりました。
林道上に生えたミゾソバなどの下草を鼻で掻き分けながら食べています。
ヌタ場で泥浴び(ヌタ打ち)してくれるのではないかという私の予想に反して、今回も水たまりを避けるように迂回して通り過ぎました。
採食中に振り返ってカメラ目線になると、イノシシの左目だけが光って見えました。(@0:27〜)
そのまま林道を向かって右に立ち去りました。
イノシシが向かった方角には水場があり、別のトレイルカメラを池畔に設置しています。
約1分後、数十m離れた水場にイノシシが登場しました。
2箇所に設置したトレイルカメラで同一個体のイノシシが続けて撮れたことになります。
監視カメラを並べることで、野生動物の行動がより立体的に見えてきます。
イノシシは対岸の林道で立ち止まり、頭を下げています。
湧水が溜まった泉から流れ出た水は林道を横切り、斜面を下って沢の源流となるのですが、イノシシは池の対岸で狭くなっている出水口で水を飲んだように見えます。
私としてはトレイルカメラにもっと近づいて池の水を飲んで欲しいのですが、どうもイノシシはカメラの存在に気づいて警戒しているような気がします。
顔を上げると、イノシシの右目が潰れていました。
隻眼の同一個体で間違いありません。
その後は文字通り道草を食いながら、林道を右へ立ち去りました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しました。
片目が潰れて見えない野生動物は大きなハンディキャップを背負っていると思うのですが、無事に生き延びています。
イノシシにとって視覚よりも嗅覚の方が重要なのかもしれません。
当地では隻眼と正常個体の少なくとも2頭のイノシシが活動していることが分かりました。
生息密度が低いようで、トレイルカメラにイノシシは滅多に写りません。