2020年5月中旬・午後13:45頃・くもり
郊外の道端をハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)が歩いています。
すぐ横では、トウモロコシ畑で苗が育ち始めています。
捕食するための虫を探しているのなら、畑の中に入って探索すれば良さそうに思うのですが、なぜか遠慮がちに畑の端っこに留まっていました。
トコトコ歩きながらときどき小声で鳴いているものの、近くを走る車の騒音がうるさくて、あまり聞き取れません。
急に飛び上がったハクセキレイ♂が空中で獲物をフライングキャッチしました。(@0:18)
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。
直後に等倍速でリプレイ。
その場ですぐ自分で捕食したので、雛のための採餌活動ではありません。
残念ながら映像を見直しても、獲物の正体は分かりませんでした。
次に畑の地面で目ざとく見つけた甲虫を嘴でつついたものの、なぜか仕留めずに見逃しました。(@1:00)
ハクセキレイ♂は一度咥えた獲物を慌てて離して、頭を左右に激しく振っています。
明らかに反撃を喰らって狼狽し、たじろいでいます。
走り去った黒い甲虫は、なんとなくゴミムシの仲間のように見えます。
おそらく、つつかれた瞬間に臭い汁や毒ガスを放出して、捕食を免れたのでしょう。
自衛に成功したのでしょう。
トウモロコシ畑から道端(側溝の暗渠)に戻った途端に土塊に躓いて転びかけた様子が、ハクセキレイ♂の動揺を物語っています。(@1:37)
鳴きながら車道を小走りで横断すると、ガードレールの死角に消えました。
命からがら逃げたゴミムシ?を同定したかったのですが、撮影中は一体何が起こったのか私には分かりませんでした。
酷い目にあったこのハクセキレイ♂は学習して、もう二度と畑でゴミムシを捕食しようとしないでしょう。
普通種のハクセキレイを通りすがりに何気なく撮っただけなのに、意外とすごく面白い対決シーンが撮れてしまいました。
やっぱり、とにかく何でも撮りまくることが大事ですね。
【追記】
小松貴『昆虫学者はやめられない: 裏山の奇人、徘徊の記』によれば、