2018年8月下旬
池でギンヤンマ♂(Anax parthenope julius)が縄張り占有飛翔していました。
一瞬の飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
水面近くを低く飛ぶトンボを試しに流し撮りしてみたら、意外と上手く撮れ、ギンヤンマ♂と判別できました。
この池はアオコが発生して緑色に濁っており、水質は決して良くありません。
この程度の池でもギンヤンマが暮らしているのですね。
(ギンヤンマの)成熟♂は日中、池沼の上を飛んで縄張り占有し、他の♂が侵入すると激しく追い払う。(中略)朝夕の薄暮時には摂食飛翔を行う。(『日本のトンボ』p207より引用)
2018年8月中旬
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チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)
チゴハヤブサ(Falco subbuteo)の止まり木に更に少し近づいたのですが、相変わらず逆光で後ろ姿です。
飛んで来る親鳥の姿を見つけた3羽の幼鳥が嬉しそうに餌乞いを始めました。
近づいた甲斐あって、キーキーキー♪という幼鳥の甲高い鳴き声が聞こえるようになりました。
ヒノキ横枝の止まり木で幼鳥が方向転換してくれたおかげで、赤褐色の脛毛をかろうじて確認できました。
これでようやくチゴハヤブサと判明したのです。
飛来した親鳥が止まり木の下段に着陸すると、その右で待っていた幼鳥aが慌てて駆け寄り、巣外給餌を受けました。(@0:16)
私がこれまで観察してきた他の種類の幼鳥とは異なり、幼鳥が餌乞いする際に両翼を持ち上げる仕草をしないのが興味深く思いました。
シルエットから獲物は今回も大きなトンボで、おそらくヤンマの一種でしょう。
幼鳥aは足で獲物を押さえつけ、早速食べ始めました。
トンボの透明な翅を毟り取って捨て、肉を食べています。
さっきから幼鳥aばかりが続けざまに給餌を受けているのは親鳥の依怙贔屓にように思えますけど、兄弟の中で一番空腹な個体なのでしょう。
止まり木の上段に居る2羽の幼鳥b,cは、下段で給餌を受ける兄弟の幼鳥aをキーキー♪鳴きながら見下ろしているだけで、獲物を奪い取りには行きませんでした。
そこへ別個体が左から鳴きながら飛来しました。(@0:49)
ヒノキの梢をかすめるように高速で飛びましたが、止まり木のチゴハヤブサ家族群4羽に威嚇され、そのまま逃げたようです。
もう1羽の親鳥が家族の様子を見に来たのでしょうか?
幼鳥aはヤンマの胴体を美味そうに飲み込み、翅は下に捨てました。
食後も満足せず、左隣りで待っている親鳥に対してすぐに鳴いて♪おかわりを催促しています。
幼鳥aは餌乞いの合間に足元の枝で嘴を拭いました。
再び別個体が高速で飛来しました。(@2:03)
枯枝の上段と下段の間を猛スピードで通過しました。
親鳥かと思ったのですが、これは縄張り争いのような、威嚇の誇示行動なのでしょうか?
止まり木の家族群4羽は一瞬だけ警戒して迎撃態勢になりました。
このときに発したキーキーキー♪という警戒声は幼鳥の甘えるような餌乞いよりもテンポが早くて切迫しています。
やがて、止まり木の上段から一羽が急に左へ飛び去りました(@2:38)。
餌乞いしていたのでてっきり幼鳥だと思っていたのに、これで分からなくなりました。
(飛び去る様子をスロー再生しても、素人目には成鳥には見えません。)
巣立ち雛(幼鳥)の中でも発育の度合いに個体差があるのでしょう。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→止まり木の周囲で飛行訓練を繰り返すチゴハヤブサ幼鳥の群れ(野鳥)
【追記】
チゴハヤブサはこの辺りに多いドバトを襲って捕食するのではないかと予想したのですが、私が観察した捕食シーンや幼鳥への給餌メニューはいつも昆虫、特にトンボでした。
平凡社『日本動物大百科3鳥類I』でチゴハヤブサの習性を調べると、
食物としてはトンボやセミなどの飛翔性昆虫からスズメ、メジロ、ツバメなどの小鳥類、ヒヨドリやイカルなどの中型の鳥まで、すぐれた飛翔力をいかして空中で捕食する。 (p172より引用)
オビガ(蛾)の飼育記録2018年#6
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オビガ(蛾)成虫♂aの羽化【60倍速映像】
2018年8月下旬・室温25.4℃、湿度65%。
羽化してから3日後。
次に羽化してくる成虫との配偶行動を観察したいので、外に解放せずに室内で飼い続けています。
成虫は口吻が退化していて食餌を取らないようなので、ただ逃げないように部屋で放し飼いにしているだけです。
深夜に消灯したら室内をパタパタと飛び回る羽音が聞こえました。
どこかに隠れていたオビガ(Apha aequalis)成虫aが消灯を待ちかねていたかのように活動的になり暗闇を飛び回っているようです。
夜行性なのだと実感しました。
まず赤外線の暗視カメラで撮ってみましょう。
昼間休んでいるときには翅で隠していた触角が活動時にはやや前方に(頭部の横に)露出しています。
指で翅に触れてもピクッと動くだけで、すぐには逃げませんでした。
ならばと蛾の前方から手乗りさせようとしたら、嫌がってようやく飛んで逃げました。
しかし、すぐに墜落。
室内を少し飛んでは白い壁紙や天井にペタリと止まります。
室内の照明を点灯して、その様子を記録してみました。
飛び立つ前にその場でしばらく翅を小刻みに震わせて準備運動し、体温を上げています。
飛翔シーンをしっかり撮りたいのですが、とにかく持久力が無くて疲れやすいようで、すぐに飛ぶのを止めてしまいます。
大きさの比較として、左手の人差し指を並べてみます。
そのまま翅にそっと触れると準備運動なしで少し飛びました。
つづく→#7:準備運動後に飛び立つオビガ(蛾)成虫a【HD動画&ハイスピード動画】