2024年5月中旬・午後13:05頃・晴れ
山麓を抜ける小径を私が歩いていたら、山側の茂みで色鮮やかなトラガ(Chelonomorpha japana japana)が植物の葉から葉へと忙しなく飛び回っていました。
近縁種のコトラガと迷いましたが、前翅外寄りに大きい白斑が3個、後翅先端に白斑があることから、トラガと確定しました。
今季初見の個体になります。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:11〜)
トラガは留まった葉に触角で触れて調べてから、次の植物へと飛び去りました。
私はトラガの性別の見分け方を知らない(※)のですが、なんとなく産卵前の♀が食餌植物を探索しているように見えました。
※ トラガの触角に明確な性的二型はないようです。
トラガ幼虫の食餌植物としては、ユリ科のシオデやサルトリイバラが報告されています。
しかし、今回のトラガ成虫が留まった植物(※ ウワミズザクラとカラハナソウ? ナワシロイチゴ? 自信なし)はどう見てもそれらには当てはまりません。
もしこのトラガが♂個体だとしたら、落ち着いて休める葉を探しているだけかもしれません。
余談ですが、今回の記事を書くためにChatGPTを使って調べ物をしていたら、トラガの分類がヤガ科から新設されたErebidae科(日本語の科名なし)へと最近移されたことを知りました。
DNAを解析した分子系統分類学の成果によりヒトリガ科やドクガ科などもErebidae科にまとめられたそうで、恐るべき大変革です。
今までのヤガ科があまりにも巨大で雑多な分類群だったので、分割・縮小されても仕方がないと素人ながら感じます。
しかし日本の鱗翅目学会や図鑑はとても保守的でまだ正式に対応しておらず(ヤガ科のまま)、Erebidae科の扱いについて静観・保留しているようです。
蛾の形態分類は伝統的に成虫♂の生殖器を詳細に検討した結果であり、比較的信頼できると思っていたのですが、それでもDNA解析の結果とは乖離していたことになります。
つまり種としての生殖隔離を実現する生殖器の形態にも収斂進化(他人の空似)があることになり、蛾類の一ファンに過ぎない私でも大きな衝撃を受けました。
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