2015/01/20

コカマキリ♂がジョロウグモ(蜘蛛)の網から脱出



2014年9月下旬

山裾のお寺の境内でジョロウグモNephila clavata)があちこちに網を張っていました。
どういう訳か、その一つにコカマキリ♂(Statilia maculata)が引っかかっていました。
地上からの高さは目測で約2m。
死んでいるのかと思いきや、動きました。
クモに悟られないよう擬死しているのかな?
枠糸に近い部分なので、糸に粘着性がないようです。

一体どうしてコカマキリはこんな窮地に陥ったのでしょう?
決して私がジョロウグモに給餌するためにコカマキリをクモの巣に投げつけた訳ではありません。
ジョロウグモの網にかかった獲物を横取りしようと自分の意志でやって来たとしたら非常に興味深いのですが、わざわざ屋根から枠糸を伝い歩きして辿り着いたとは思えません。
おそらく単に屋根から飛び降りようとして網に引っかかったのでしょう。

一方、網が振動しているのに左上に占座したジョロウグモ♀もなぜか反応しません。
獲物としては危険過ぎると察知しているのでしょうか?

しばらくするとコカマキリ♂は恐る恐る(?)網から脱出を始めました。
糸に粘着力はあまり無さそうですが、上手く歩けない様子。
なんとか苦心して方向転換すると不安定な足場で体勢を立て直しました。
羽ばたいて下の草むらに飛び降り、無事に生還。

※ 白飛び気味の前半だけYouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

細いクモの糸も少し強調されました。



【追記】
初め私はこのコカマキリをなぜか♀だと思い込んでいたのですけど、YouTubeのコメント欄でバナナ王国の王バナナイズジャッチメントさんから♂だとご指摘を頂きました。
触角が長いとオスでメスはオスより短いです後は腹が細いほうがオスでメスはやや太ってますあとオスは遠くまで飛べてメスはそんなに飛べません
という訳で、性別を♀から♂に訂正しておきます。


ミゾソバと野菊の花蜜を吸うセスジハリバエ



2014年9月下旬

里山の草地でセスジハリバエTachina nupta)が花蜜(と花粉)を舐めていました。
初めはミゾソバの群落で訪花していましたが、隣に咲いた野菊(種名不詳)の群落にも飛んで行き、吸蜜しています。



複数個体を撮影した後、1匹だけ採集できました。
以下は標本写真。




2015/01/19

チャイロスズメバチ♀の巣を山道で見つけた!



2014年9月中旬

斜面に営巣したチャイロスズメバチの定点観察#1

里山でスギ植林地の南西斜面をトラバースする林道を歩いていると、道端の斜面の穴に数匹のチャイロスズメバチVespa dybowskii)が盛んに出入りしていることに気づきました。
茂みに隠れてよく見えませんが、おそらく崖の地中に穴を掘って営巣しているようです。

本種は社会寄生性のスズメバチとして有名です。
地中に営巣したということで、乗っ取りのホストはモンスズメバチまたはキイロスズメバチのどちらですかね?
共に地中営巣性というイメージは無く、ピンと来ません。
引っ越しする前の母巣は地中に創設することもあるのかな?
ちなみに、前年にこの近くで同じ林道の真ん中に穴を掘って営巣していたヒメスズメバチを定点観察しています。
ただし、チャイロスズメバチの女王がヒメスズメバチの巣を乗っ取る例は知られていません。(ヒメスズメバチの営巣習性は特殊なので考えにくいです。)

林道から崖を見下ろしても巣口が見えないので、斜面を回り込んで近づこうと試みました。
しかし蜂にすぐ気づかれてしまい、数匹にまとわりつかれました。
身の危険を感じ、撮影を諦めてすごすごと撤退しました。
やはり、防護服が欲しいなー。



山中でチャイロスズメバチの巣を見つけたのは初めてです。
千載一遇のチャンスに感謝して定点観察に通うことに決めました。
高価な防護服を着用しなくてもなんとか安全に巣を撮影する方法は無いものか、知恵を絞ります。

つづく→シリーズ#2




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