2014/02/09

夕刻の雑木林で出会ったニホンカモシカ



2013年10月下旬

里山から下山すると、麓の雑木林にてニホンカモシカCapricornis crispus)を発見。
振り返った姿勢のまま、こちらを凝視しています。
角が未だ細いので若い個体のようです。
大きな耳は左右対称で、私に個体識別できる特徴がありません。
薄暗い夕方なので、ズームすると相当暗いです。

やがて警戒を解くと前を向き、駆けて逃げて行きました。
録画を停止してしまい撮れていないのですけど、フシュフシュ♪と威嚇する鼻息が林の奥から聞こえてきました。

実はこの日の朝にも近くの杉林でカモシカを目撃しています。(映像なし)
この辺りを縄張りとしている同一個体かもしれません。

最近は治山工事の騒音の影響なのかニホンカモシカの姿が見えなかったのですが、久しぶりの嬉しい遭遇でした。



跳べ!ネコハエトリ♂【蜘蛛:ハイスピード動画】



2013年5月上旬

資材置き場を徘徊するネコハエトリ♂(Carrhotus xanthogramma)成体を発見。
同一個体の跳躍シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
左の第4歩脚だけが細いのは、再生肢なのかもしれません。

レンズに向かって跳び付いてくる様子が可愛らしくもあり、迫力の映像が撮れました♪

この日は付近に♀の姿を見かけませんでした。
例年より繁殖期が遅れているのでしょうか。


『瞬間をとらえる:生物のハイスピード写真集』p90によると、
(ハエトリグモの)極めて素早いその跳びかかり方は、実は筋力によって生み出されたものではなくて、脚内の水圧作用によってもたらされるものである。




2014/02/08

繭を紡ぐオオケンモン(蛾)終齢幼虫【微速度撮影:後編】



2013年10月下旬

飼育下(紙箱の隅)でオオケンモンAcronicta major)終齢幼虫は夜通し繭を紡ぎました。

前回の記事はこちら→「繭を紡ぐオオケンモン(蛾)終齢幼虫【微速度撮影:前編】

中の様子が見えにくくなった(毛虫にピントが合わなくなった)ので、インターバル撮影は朝までで終了しました。
白っぽい絹糸で紡いだ繭に毛虫の褐色の長毛が植え込まれています。

しばらくすると繭のあちこちに白い毛玉のような粒々が見え始め、とても気になりました。
米粒状なので、毛虫の白い毛束が抜け落ちたとは思えません。
もしかするとオオケンモン幼虫に体内寄生していた寄生蜂の幼虫が寄主を食い破って脱出し、個々に繭を作ったのかと想像しました。

過去の飼育経験が蘇りました。→「ツガカレハ幼虫に寄生していた蜂の造繭@微速度撮影
急遽ジオラマモードに切り替えて10倍速の微速度撮影で記録しました。
それを更に3倍速に編集した30倍速の早回し映像をご覧下さい。

どうやら本種の繭は2重構造になっているようです。
外側の繭の長径は48mm、高さ25mm。
内側の繭本体の表面には胡麻塩をびっしり散りばめたような模様があります。
気になる白い粒粒は、どうやらオオケンモン幼虫が作った構造物(繭の一部)のようだと思い直しました。
毛虫が営繭の後半に口から何かを分泌して所々の絹糸を変性させたのでしょうか?
あるいは絹糸の成分や紡ぎ方を切り替えているのかもしれません。
口元で白い毛玉のようなものを作ってから繭に付着するのでしょうか?
監視カメラに任せるのではなく、付きっきりで直に観察(接写)しないと分かりませんね…。



【おまけ1】
元の10倍速映像もブログ限定で公開しておきます。
お暇な方はこちらもどうぞ。



【おまけ2】
ジオラマモードで撮る前に通常のHD動画で撮った映像です。
リアルタイムでの毛虫の動きの速さはこんな感じです。
退屈だと思いますけどリクエストがあったので、ブログ限定で公開。

オオケンモンは蛹で越冬するそうです。
果たして春になれば無事に成虫が羽化してくるでしょうか?
(あるいは寄生蜂が羽化してこないとも限りません。)

つづく


白い粒状の物が現れた。
2日後の繭
【追記】
残念ながら結局、この繭から成虫は羽化しませんでした。
2015年3月に繭を切り開いてみると、蛹は一見して正常に出来ていました。
おそらく室温で放置していたのが良くなくて、冬季の低温にしっかり晒さないと休眠が解けないのかもしれません。
あるいは乾燥し過ぎたのかもしれません。(土に埋めるべき?)


毛羽を剥がしたオオケンモン繭

繭層を切り開いた中のオオケンモン蛹と抜け殻

繭から剥がした毛羽@方眼紙

蛹:腹面@方眼紙

蛹:側面@方眼紙

蛹:背面@方眼紙

蛹化殻@方眼紙

蛹化殻@方眼紙

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