2020年12月上旬・午後12:00頃・くもり
山麓のリンゴ園および隣接する墓地で活動する野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れを観察していると、新たな採食メニューが判明しました。
何かオレンジ色の果実を見つける度に拾い食いしています。
丸ごとの完全な形状の果実ではないので、その正体を見分けるのが難しいのですが、おそらくカキノキの完熟した果実だろうと思います。
どうしてリンゴ園周辺の地面に柿の落果が散乱しているのか分かりません。
おそらくこの近くにカキノキが植えてあって、さまざまな野生動物や野鳥が熟した果実を散々食べ散らかした結果、広範囲に落果が散らばっているのでしょう。
初めはオレンジ色の餌の正体が分からず、墓地にお供え物として置かれた(あるいは生ゴミとして畑に捨てられた)ミカンの果実なのかと思いました。
猿がかぶりついて果肉だけを食べた後で口から果皮をドロリと吐き出す様子を見ると、ミカンではなく熟柿でしょう。
私が特に理解に苦しむのは、墓地の横で桜の木の苔むした幹から若いニホンザルが摘み上げたオレンジ色の果実?の存在です。(@1:00)
誰かが予め熟柿を隠しておいた(貯食)のかな?
しかし柿の実は熟し切ると腐敗が始まり長期保存できませんから、貯食には向いていません。
若い個体の前にここを通りかかった経産♀は、このオレンジ色の餌の存在に全く気づいた素振りを示しませんでした。(@0:00〜0:53)
もしかすると果実ではなくて、鮮やかな橙色をしたヒイロチャワンタケかもしれない…と頭によぎりました。
しかし、ヒイロチャワンタケは樹上ではなく地面(裸地)に生えるキノコです。
ヒイロチャワンタケは一応ヒトが食べても大丈夫なキノコ(可食)らしいので、ニホンザルが採食しても不思議ではありません。
決定的な証拠映像が撮れるまでは保留にしておきます。
現場検証して柿の木の有無を確かめたいところですが、リンゴ園や墓地の敷地に部外者が勝手に入る訳にもいかないので、推測するしかありません。
リンゴ園に侵入したニホンザルの群れは多数の個体が自由に探餌徘徊していて、群れの遊動のような方向性はありません。
リンゴ園ではニホンザルの追いかけっこが頻発しています。
子ザル同士の遊び(鬼ごっこ)なのか発情期に特有の小競り合いなのか私にはよく分かりませんが、素人目には前者のような気がします。
リンゴ園の一角は露地栽培ではなくビニールハウスになっていました。
収穫後のこの時期は、果樹全体を覆うビニールハウスの骨組(アルミ製パイプ)だけが残っています。
リンゴ園を走り回っていた1頭のニホンザルが資材置き場に落ちていた熟柿をすばやく拾って持ち去りました。(@2:34〜)
熟柿を口に咥えたまま、ビニールハウスの骨組みにするすると登りました。
櫓に座って食餌していると、下から別個体の♀が登って来ました。
餌を横取りされないように、慌ててアルミパイプを伝って逃げて行きました。
ただし、追いかけっこの当初の理由は、熟柿の争奪戦ではありません。
走ってきた個体がリンゴ園の地面に落ちていた熟柿を見つけて拾い食いしました。(@3:10〜)
別個体が近寄ってくると、餌を奪われないように逃走。
一方、画面の奥では子ザルが木の枝からぶら下がったり飛び降りたり登ったりして遊んでいます。
登場するニホンザルの数が多過ぎて、どの個体を撮るべきか目移りしてしまいました。
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