2020/08/18

巣材の枯草を集め軒下の穴に搬入するスズメ(野鳥)【HD動画&ハイスピード動画】



2020年5月下旬・午後16:00頃・晴れ

2階建てコーポの2階廊下の天井隅が破れていて、その穴にスズメPasser montanus)が繰り返し出入りしていました。
巣材の搬入だ!と気づいた私は、巣口に狙いを定めて動画を撮り始めました。

親鳥が左から飛来したものの、帰巣しませんでした。
巣口を見上げている私を警戒して、帰巣を中断したようです。
しかし私が不動で撮り続けると、すぐに再び親鳥が下から飛び上がって来ました。
今度も入巣せずに、コーポの屋根の上に止まりました。
嘴には巣材の枯草を数本まとめて咥えています。
キョロキョロと辺りを見回してから、トトトトトっと跳ねて屋根の左端に移動すると、飛び降りました。
巣口とほぼ同じ高さでホバリング(停飛)してから、一気に入巣しました。
帰巣シーンをまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。
その後に等倍速でリプレイ。

未だ巣造りの段階ですから、当然ながら親鳥が帰巣しても巣内から雛鳥が餌乞いする鳴き声は聞こえません。
おそらく今季二度目の営巣ではないかと思います。
しばらくすると、親鳥が巣口から顔を覗かせて外の様子を伺っています。
安全を見極めてから巣口の左下に飛び降りました。
親鳥の行方を追うと、隣の空き地を徘徊し始めました。
ここは新築工事のために更地にされた空き地で、砂利の混じった地面には雑草がわずかに生えているだけです。
巣材集めも一瞬の出来事なので、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。
スズメは地面に散乱している枯草を素早く採取すると、すぐに右へ飛び去りました。
どうやらヒトに見られていることを嫌い、死角になる右へ右へと移動してしまうのです。
私が横にずれてしつこく撮ろうとすると、スズメは更に右へ飛んで逃げてしまいました。
スズメにとって巣材集めはトップシークレットなのか、とにかく現場を私に見られたくない様子です。
それでもスズメが巣材集めするシーンは初見だったので、嬉しい収穫です。

次にスズメが軒下の穴に飛び込んだ際には、搬入した長い枯草が少し引っかかりました。
天井裏でスズメが巣材の枯草を編み上げる様子は外から見えませんが、機会があれば(親鳥の負担にならない範囲で)ファイバースコープや暗視カメラで観察してみたいものです。
親鳥が出巣の前に巣口から外の様子をしばらく伺うのは前回と同じでした。
軒下の穴から真っ逆さまに飛び降りて出巣します。
空き地の一番奥のコンクリート土台に着陸したスズメは、嘴を足元のコンクリートに擦り付けました。
私を警戒したスズメは、もう空き地での巣材集めをしてくれなくなりました。
(枯草はそこら中に豊富にありますから、おそらく近くの別な場所で巣材を集めるのでしょう。)

スズメが嘴に咥えた枯草を巣に搬入したり出巣したりする様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:08〜)

巣材を搬入していたのが特定の1羽(片親)だけなのか、それとも♀♂つがいが共働きしていたのか、私には分かりませんでした。
スズメは外見で性別を見分けられないのです。
その後は私がしばらく巣口を見張っていても、スズメの親鳥は帰巣してくれなくなりました。
ほとぼりが冷めるまで(私が立ち去るまで)造巣作業を中断するつもりなのでしょう。
あまりしつこく見ていると私のせいでここでの営巣を諦めてしまう可能性もあるので、私も撮影を打ち切って帰りました。
楽観的に考えると、夕方になってスズメが作業を止めただけかもしれません。

大田真也『スズメ百態面白帳』によると、

巣材運びは、巣の在処を気取られないように大変慎重である。人に見られていることに気づくと、巣材をくわえていてもなかなか巣のある場所に入って行かず、巣材をくわえたままその場でじっと石のようになってしまったり、あるいはとんでもない方向に一時的に飛び去ったりしてフェイントをかけ、しばらくしてから帰って来たりする。(p58より引用)


ちなみにスズメが巣材を集めていた空地(更地)では後日、住宅の新築工事が始まりました。


▼関連記事(2、4、6年前の撮影)
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【追記】

1.5年後に現場を再訪すると、コーポ全体がすっかりリフォームされていて、軒下の破れた穴も無くなっていました。

スズメの営巣地が失われてしまったことになります。

このままスズメの住宅難が全国的に進行すると、大昔のように樹上で巣作りするように進化するのでしょうか?

 





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