2015年9月下旬・午後19:28〜23:20
アカオニグモ♀の定点観察#19
同じ日の夜に再訪すると、アカオニグモ♀b(Araneus pinguis)は円網の中心部(甑)に占座していたので驚きました。
こちらに背面を向け甑で下向きに占座しています。
いつ見ても隠れ家に潜んでいて滅多に円網に出てこない♀aとは対照的です。
獲物を待ち伏せる位置の違いは何か理由があるのか、気になります。
- 単なる気質(大胆⇔臆病)の個体差?
- 発生ステージ(幼体→亜成体→成体)の違い? 体長は♀a>♀b。
- 空腹状態の違い? 天敵に襲われるリスクを承知の上で、網に虫がかかったら直ちに駆けつけられるよう臨戦態勢で待ち伏せているのか?
試しに実験してみたかったのですけど、現場では虫が調達できませんでした。
予め捕獲した獲物を持参する必要がありそうです。
『まちぼうけの生態学:アカオニグモと草むらの虫たち』p5によると、
♀は成熟するにしたがい、おなかの色が黄白色から赤色へかわる。♂のおなかの色は黄白色のまま。また、同書p16によれば、
あたりが暗くなってから、アカオニグモは隠れ場所からでてきた。食べるところのなくなったカメムシを地上に落とすと、網の中心で頭を下にして、動かなくなった。
その後、私も網の手前に座ってひたすら待ち続け監視していたのですが、油断していたらいつの間にかアカオニグモ♀bが網を取り壊し始めました。
円網の下側の一部だけ(アナログの時計盤に見立てると5時〜7時)扇状に畳んで、切れ網のようになりました。
網全体を一気呵成に取り壊すのではなく、クモはなぜか残った網の中心で上向きに休んでいます。
こうした破網のやり方(下側を先に取り壊す)は別個体♀aでも見ているので、アカオニグモ(またはもっと広くコガネグモ科)に特有の習性なのかもしれません。
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