ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#14
▼前回の記事
立ち去る私を追いかけてニセアカシア樹上から鳴いて威嚇するノスリ親鳥(野鳥)
2019年6月上旬・午後19:10〜19:13(日の入り時刻は18:56)
6時間後。
日没直後にノスリ(Buteo japonicus)の営巣地の対岸を再び通りかかりました。
(帰り道にどうしてもここを通らないといけないのです。)
営巣木の柳にズームインしても、巣内に動きはありませんでした。
雛は寝静まっているようです。
ノスリの親鳥が夜にどこで寝るのか興味があるのですが、巣内に姿は見えず、営巣木の天辺(樹冠)にも親鳥は止まっていませんでした。
私が立ち止まってノスリの巣を撮影していると、営巣木の左に聳え立つポプラ(=セイヨウハコヤナギ)高木の梢から聞き慣れたノスリ親鳥の警戒声が響き始めました。(@0:54〜)
甲高い声で悲しげにピーェー、ピーェー♪と間隔を開けつつ繰り返し鳴いています。
親鳥の少なくとも1羽は、やはりポプラ高木の樹冠に塒入りしていることが分かりました。
しかし倍率の弱いこのハンディカムではポプラ樹上にズームインしても親鳥のシルエットは見つけられません。
あくまでも鳴き声がする方角から判断しました。
(6日前の夜明け前には、親鳥がこのポプラ樹冠から警戒声を発し、飛び立ちました。)
これ以上親鳥にストレスを与えないために、威嚇飛翔を始める前に退散しました。
私が現場を離れると親鳥は安心して鳴き止みました。
鳥が暗くなると目が見えなくなる(鳥目)というのは、嘘ですね。
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
この動画はハンディカムで撮ったので画質も悪く、倍率も低いです。
いつものカメラは昼間に散々使い、バッテリー切れで使えませんでした。
つづく→#15:ニセアカシア樹上で頭を掻き羽繕いするノスリ親鳥(野鳥)
【追記】
1週間後、ここから数キロ離れた街なかで公園の街路樹を塒とするノスリを観察しました。
同一個体なのか不明です。
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交差点の電柱から飛んでムクドリの集団塒に戻るノスリ(野鳥)
2019年6月中旬
道端に植栽されたマメガキの木の葉の裏面にチャミノガ(Eumeta minuscula)の蓑虫を2頭見つけました。
隣の葉に虫食い穴(食痕)が見えます。
新しい葉に移ってきたのかもしれません。
後半の個体は幼虫が葉裏を移動中でした。
チャミノガ幼虫は、名前の由来となったチャノキ(茶)以外にも様々な樹種の葉を食べる広食性です。
チャノキが自生できない雪国にも普通に分布しています。
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ニセアカシアの葉柄を徘徊するチャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫
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チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫a@マメガキ葉裏 |
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チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫b@マメガキ葉裏 |
2019年6月中旬
街なかで道端の原っぱが草刈りされた直後にカワラヒワ♀♂(Carduelis sinica)の群れが来て採食していました。
白い綿毛の付いた種子を啄んでいます。
刈られた草の中に黄色い花も見えますし、キク科のタンポポやブタナでしょう。
落穂拾いするカワラヒワをよく見ると、冠毛は食べずに捨てて種子だけ食べているようです。
途中からスズメ(Passer montanus)も飛来し、仲間入りしました。
※ 動画編集したら、枯草が広がる原っぱは画面の情報量がきわめて多いためにビットレートが不足して画質が粗くなってしまいました。
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河川敷でブタナの種子を食べるカワラヒワ♂(野鳥)
【追記】
雑草の草刈りというヒトの行為とカワラヒワの関係を少し考えてみます。
カワラヒワにしてみれば、雑草の種子ができる前に草刈りされてしまえば困るでしょうが、単純に「環境破壊」とも言い切れません。
干し草は実が乾燥して食べやすくなるのかもしれません。
背の高いブタナの種子をカワラヒワが食べるにはいちいち長い茎を蹴倒して倒伏させる必要があるのですが、草刈りされた場所ではその必要がなくなり、楽に落穂拾いできます。
ヒトが定期的に介入(撹乱)して草刈りや野焼き(または大量の草食動物を放って牧畜)をしないと、日本の草原は維持できません。
日本の風土では草原を放置しておくと、やがて森林に遷移してしまうからです。
そうなってしまうと、種子食性のカワラヒワはそこに住めなくなってしまうでしょう。
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カワラヒワ♂(野鳥)@草刈り後原っぱ+種子採食 |
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カワラヒワ♂(野鳥)@草刈り後原っぱ+種子採食 |