2021/04/19

羽化したサムライコマユバチ♀♂の大群:寄主ナシケンモン(蛾)幼虫

 

 ナシケンモン(蛾)の飼育#13

前回の記事:▶ 繭塊から続々と羽化するサムライコマユバチ【10倍速映像】寄主ナシケンモン(蛾)幼虫
2020年11月中旬・午後15:35頃 

繭塊から羽化を始めてから2日後。 
密閉容器内で夥しい数のコマユバチ科サムライコマユバチの一種(Cotesia sp.)成虫が活動していました。 
微小な蜂とは言え、たった1匹の寄主からこれほど多数の成虫が羽化するとは驚きです。 
単独の寄生蜂♀が多数の卵を寄主のナシケンモンViminia rumicis幼虫の体内に産み付けたのです(多寄生)。 

蜂は全身が黒色で、脚だけが黄土色(跗節は黒色)でした。 
繭ハンドブック』p90に同じくナシケンモンに体内寄生するサムライコマユバチの一種(Cotesia sp.)が掲載されています。 
写真が小さいのが残念ですが、それを見ると脚の色が赤っぽいので、素人目には別種のような気がします。
 (これからの図鑑は全て電子書籍にして、フルカラーの写真を自由に拡大できるようにして欲しいです。) 
腹側から見たときに腹端に短い真っ直ぐな産卵管があるのが♀だと思うのですけど、逆に映像では♂が見当たりません。 
背側からでは、翅に隠れて腹端(産卵管の有無)が見えなくなってしまいます。 

容器内で求愛・交尾している♀♂ペアが見当たりません。 
羽化直後に交尾を済ませるのだとしたら、見逃してしまったようです。 

体重の軽い微小なサムライコマユバチはプラスチック容器の垂直な壁面もサランラップ蓋の裏面も逆さまになって平気で歩き回ることが可能です。 
たまに飛び回る個体もいます。 
蓋の代わりに張ったサランラップ越しに接写したのですが、サランラップの表面に静電気で付着した綿埃が見苦しいですね…。 
蜂がサランラップを食い破って脱出することはありませんでした。 

円筒形の容器内に閉じ込められても蜂の大群が一方向に多く集まっているのは、明るい窓からの日光に引き寄せられているようです。 
昼行性ですから、正の走光性があるのは当然です。 

シリーズ完。 

以下の写真は、動画の前日に撮ったものです。(羽化開始の翌日) 
コマユバチを同定するために、標本を接写した写真を掲載予定。 
少なくとも羽化した総個体数と性比だけでも、きちんと調べます。


 

2021/04/18

朝霧の立ち込める川で朝食の魚を探すダイサギb(冬の野鳥)

 

2020年11月下旬・午前7:20頃・朝霧
前回の記事:▶ 冬の塒から夜明け前に飛び立つダイサギ(冬の野鳥)
私が見ているダイサギArdea alba)の冬塒では「情報センター仮説」が成り立たないことを念の為にもう一度確かめに来たのですが、早朝に集団ねぐらを離れるダイサギの撮影が上手く行きませんでした。 
確かにこの日も集団塒から時刻も方角も別々に飛び去ったのですが、個体数があまりにも少な過ぎてデータになりません。 
しかし、せっかく徹夜で来たのに手ぶらで帰る訳には行きません。 
予定を変更して寄り道し、早朝の川をラインセンサスすることにしました。 
サギ類では定説となっている「情報センター仮説」が正しければ、複数のダイサギ個体が一緒に採食している豊穣な餌場がどこかにあるはずです。 
逆に、川沿いをいくら探してもダイサギが点々と離れて(各々が単独で)採食していれば、「情報センター仮説」を否定する傍証になるでしょう。(証拠としては弱いですけど。) 
集団塒の近くで心当たりのある餌場は、コンクリートで護岸され街なかを流れる川です。 
水深が浅くてお世辞にも綺麗な水質とは言えませんが、サギ類の捕食活動を年中見かけます。 
しかしこの川は魚影が薄いようで、ダイサギはいつも単独で採食しています。 

こんな朝早い時間帯に川の水鳥を見に来たのは初めてです。
私の予想した通り、集団塒から飛来したと思われる個体が単独で朝一番の採餌行動をしていました。 
塒から直線距離で約1kmの地点で、ダイサギにとってはひとっ飛び(朝飯前)の距離でしょう。 
 未明の放射冷却現象でひどく冷え込んだ後に太陽が昇ると、川から朝霧が立ち込るようになりました。 
川の水温よりも気温が下がった結果、川面からの水蒸気が霧になったのでしょう。
道端の草に白い霜が降りているものの、霜柱は形成されていませんでした。 

ダイサギbは浅い川をゆっくり歩き回りながら脚を1歩ずつガクガクと動かして川底にわざと振動を与え、獲物を隠れ家から追い出そうとしています。 
素早く振り返ると、コンクリート護岸の真下の水中に嘴を突き刺しました。 しかし空振りに終わり、捕食は失敗です。 
再び本流の方へ向き直り、足踏み追い出し漁を続けるも、また捕食に失敗しました。 
朝食を捕るのに苦労しているようです。
魚を捕る技術が未熟な個体なのか、それともこの川には獲物が少ない(魚影が薄い)のか、どちらでしょう?

白い発泡スチロール箱のゴミが漂着していて、見苦しいですね。 


 

コマツナ?の花で採餌するニホンミツバチ♀

 

2020年11月中旬・午前11:55頃・晴れ 

おそらくコマツナ(小松菜)と思われるアブラナ科の野菜が栽培された家庭菜園でニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
吸蜜しているニホンミツバチ♀の後脚を見ると、花粉籠に黄色の花粉団子を付けていました。 
複数個体(2匹)を撮影。
▼関連記事(同じ日に同じ畑で撮影) 
コマツナ?の花で採餌するセイヨウミツバチ♀

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