2021/04/12

落葉した秋の山林で急斜面を登るニホンザルの群れ

 

2020年11月下旬・午後13:00頃・晴れ 

川沿いの刈田の農道を歩いていたら1頭の野生とニホンザルMacaca fuscata fuscata)遭遇しました。 
驚いた猿は橋の袂へ慌てて走り去り、橋の道路ではなく鉄骨を渡って対岸へ逃げて行きました。 
このとき残念ながらカメラのバッテリーが切れていて、撮り損ねてしまいました。 
実はその前から川の対岸からイヌが吠えているような鳴き声がして、気になっていました。 
改めて耳を澄ますと、繁殖期(発情期)のニホンザルたちが騒ぐ悲鳴・鳴き声♪でした。 

 (映像はここから。) 
急いでカメラのバッテリーを交換してから川の対岸の山を探すと、落葉した雑木林の急斜面をトラバースしたり登って行く数頭のニホンザルが辛うじて見えました。 
冒頭の個体は子ザルのようです。 
急斜面を元気に駆け上がっていますが(直登)、茂みに隠れてすぐに見失ってしまいました。 

続けてもう一頭が下の川から登って来ました。 
互いに絡み合ったフジ(藤)の太い蔓に腰掛けて一休み。 
こちらに背を向けていましたが、立ち上がって遊動を再開する際、股間に紅潮した睾丸が見えたので、♂成獣と判明。 
顔も真っ赤で、発情しています。 
落ち葉に覆われた急斜面をトラバースして行きます。 

3頭目の個体は若い子ザルでした。 
冬の豪雪で根曲がりした木の幹に腰掛けて小休止。 
これぞまさしく「サルノコシカケ」ですね。 
すぐに遊動を再開すると、急斜面を斜めに登って行きます。 
途中で下草に付着した何か(虫?)を手掴みで食べました。 
大量の落ち葉で敷き詰められた急斜面を登るのは滑りやすくて嫌なのか、倒木の上を選んで歩いて行きます。

 

2021/04/11

飛んでいるハイタカにモビングを仕掛けるハクセキレイ?(野鳥)

 

2020年11月下旬・午前11:20頃・くもり 

おそらくハイタカAccipiter nisus)と思われる小型の猛禽が郊外の農地の上空を飛び回っていました。 
ヒラヒラという羽ばたきと滑空を交互に繰り返しています。 
種類を見分ける識別点である翼の下面の斑紋が逆光でよく見えず残念でした。 

そのハイタカに対して、気の強い小鳥がチュンチュン♪と鋭く鳴きながらモビング(擬攻撃)を仕掛けていたので驚きました。 
逆に天敵の猛禽に怯えて必死に逃げ惑っていたのかもしれませんが、同一個体が繰り返し戻ってきてハイタカに挑んでいた(ように見えた)ので、モビングだと思いました。 
ただし今回の小鳥はハイタカの飛行高度よりも終始低く飛んでいたので、モビング好きなカラスが仕掛ける空中戦ほどの迫力はありませんでした。
▼関連記事(2、5年前の撮影) 
チョウゲンボウ♂をモビングするハシボソガラスの群れ(野鳥) 
チョウゲンボウ(野鳥)をモビングするハシボソガラスの空中戦
急降下による狩りが得意なハイタカに対して、小鳥が下から飛んで向っていくのはとても勇気のある行動だと思います。 
ハイタカの方は特に眼中にないというか、ほとんど相手にしていません。 
それでも飛んでいるハイタカを牽制して縄張りから追い払ったように見えました。

残念ながら背景が薄暗い曇り空のために、カメラのAFが飛んでいる被写体にすばやく合焦してくれませんでした。
おまけに、カメラを空に向けても周囲の電線が邪魔です…。 
この勇気ある小鳥は、波状に飛ぶことからセキレイ類のような気がします。 
川に近いこの辺りでは、ハクセキレイMotacilla alba lugens)が優占種です。 
動画のクオリティはいまいちですけど、個人的に珍しい出来事なので、忘れないように記録しておきます。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
手ブレ補正も色調補正も今回は逆効果になるので施しませんでした。 


【追記】
私は初め、この猛禽はてっきりチョウゲンボウだろうと思ったのですが、YouTubeのコメント欄にて、The Wildlife Photographerさんから「チョウゲンボウではなくハイタカ」とご指摘いただきましたので訂正しておきます。
That's actually an accipiter nisus, its wings are too broad to be an falco tinnunculus

ハイタカAccipiter nisus)を見れたのはこれが生まれて初めてです。

まさか平地で出会えるとは思って無くて、検討する選択肢から外してました。

手元にある図鑑でハイタカを改めて調べてみました。

羽ばたきと滑翔をまじえて直線的に飛び、帆翔して旋回する。(『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』p15より引用)


ハイタカは、小鳥類を専門に獲物として狩りをするタカだ。(中略)小鳥たちが警戒の声を出し、おかしいと思ったらハイタカが姿を見せた。鳥たちの行動が急に変化したら、ワシタカ類が現れた確率が高い。(『やまがた野鳥図鑑』p19より引用) 

ということは、今回見たセキレイの行動はモビング(擬攻撃)ではなくて、捕食者の出現でパニックになっただけかもしれません。

登場したハクセキレイ(?)が複数個体という可能性もあります。

セキレイのあの飛び方が一番ハイタカに襲われにくい緊急回避法なのかな?


寄主ナシケンモン(蛾)幼虫の体外に脱出して繭を紡ぐサムライコマユバチ終齢幼虫の群れ(3)10倍速映像

 

ナシケンモン(蛾)の飼育#10

前回の記事:▶ 寄主ナシケンモン(蛾)幼虫の体外に脱出して繭を紡ぐサムライコマユバチ終齢幼虫の群れ(2)接写
2020年11月上旬・午後22:27〜23:40 

サムライコマユバチの一種Cotesia sp.)終齢幼虫の群れが集団で営繭する様子を今度はマクロレンズで微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 
初めからこの手法で記録したかったのですが、1台しか無いカメラと三脚のやりくりが大変でした。 

各幼虫は、口から白い絹糸を吐きながら上半身を振り立てて繭を紡いでいます。 
1匹の幼虫が繭塊の表面からこぼれ落ちました。 
ウジ虫様の寄生バチ幼虫は脚が退化しているので、歩行・徘徊が苦手です。 
繭塊から離れてしまうと、おそらく自力では戻れないでしょう。 
繭塊から脱落した幼虫の穴は後に他の仲間によって埋められます。 

寄主のナシケンモンViminia rumicis幼虫は虫の息ながらも未だ生きているようで、ときどき微かに頭部が動いています。(画面下が被寄生幼虫の頭部) 
この寄生バチは、飼い殺し型の内部捕食性多寄生蜂に分類されます。 
しかし別種の寄生バチ♀によって繭塊に次々と産卵されて、二次寄生される可能性があります。 
▼関連記事(5年前の撮影)
それを防ぐために寄主の毛虫が死ぬまでボディーガードとして振る舞うように行動を支配(寄主の行動操作)しているかどうか、興味深いところです。 
例えば他の虫が近づいたり繭塊を這い回ったりすると、ナシケンモン幼虫は暴れて撃退するでしょうか? 
飼育下で実験のために二次寄生蜂を用意するのは無理なので、試しにアリやアブラムシなどを這い回らせてナシケンモン幼虫の反応を調べたら面白そうです。 
せめてピンセットで毛虫をつついてみて、反応性を調べるべきでしたね。 
しかし本来、被寄生ナシケンモン幼虫は最終的に丸い球状の繭塊で完全に包まれるはずなので、ボディーガードの行動は期待されていない気がします。 
被寄生ナシケンモン幼虫は筋肉組織も既に食い荒らされているでしょうし、体外も体内も寄生バチの絹糸によってがんじがらめに固定されていますから、ほとんど動けないのではないか、と私は予想しています。 

 「ナシケンモン:寄生されて蛾になれず死んでしまうエレジー」 

翌日に撮った繭塊の写真を以下に掲載しておきます。
未だ営繭を続けている幼虫が写っていました。



ランダムに記事を読む

  • 晩冬のスギ林道で雪に埋もれかけたスギの根元を通りすがりにチェックするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】01/09/2023 - 0 Comments
  • アナグマの営巣地で秋の夜にホンドタヌキが野ネズミを見逃す【トレイルカメラ:暗視映像】10/08/2024 - 0 Comments
  • 散歩に来た飼いイヌから一斉に離れて危険を回避するコハクチョウの採食群【冬の野鳥:4K動画】02/10/2023 - 0 Comments
  • 電柱の天辺から飛んで逃げるノスリ(野鳥)27/04/2020 - 0 Comments
  • ヒメベッコウ♀bの成長23/01/2011 - 0 Comments