サムライコマユバチの一種(Cotesia sp.)終齢幼虫の群れが集団で営繭する様子を今度はマクロレンズで微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧ください。
初めからこの手法で記録したかったのですが、1台しか無いカメラと三脚のやりくりが大変でした。
各幼虫は、口から白い絹糸を吐きながら上半身を振り立てて繭を紡いでいます。
1匹の幼虫が繭塊の表面からこぼれ落ちました。
ウジ虫様の寄生バチ幼虫は脚が退化しているので、歩行・徘徊が苦手です。
繭塊から離れてしまうと、おそらく自力では戻れないでしょう。
繭塊から脱落した幼虫の穴は後に他の仲間によって埋められます。
この寄生バチは、飼い殺し型の内部捕食性多寄生蜂に分類されます。
しかし別種の寄生バチ♀によって繭塊に次々と産卵されて、二次寄生される可能性があります。
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それを防ぐために寄主の毛虫が死ぬまでボディーガードとして振る舞うように行動を支配(寄主の行動操作)しているかどうか、興味深いところです。
例えば他の虫が近づいたり繭塊を這い回ったりすると、ナシケンモン幼虫は暴れて撃退するでしょうか?
飼育下で実験のために二次寄生蜂を用意するのは無理なので、試しにアリやアブラムシなどを這い回らせてナシケンモン幼虫の反応を調べたら面白そうです。
せめてピンセットで毛虫をつついてみて、反応性を調べるべきでしたね。
しかし本来、被寄生ナシケンモン幼虫は最終的に丸い球状の繭塊で完全に包まれるはずなので、ボディーガードの行動は期待されていない気がします。
被寄生ナシケンモン幼虫は筋肉組織も既に食い荒らされているでしょうし、体外も体内も寄生バチの絹糸によってがんじがらめに固定されていますから、ほとんど動けないのではないか、と私は予想しています。
「ナシケンモン:寄生されて蛾になれず死んでしまうエレジー」
翌日に撮った繭塊の写真を以下に掲載しておきます。
未だ営繭を続けている幼虫が写っていました。
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