2014年8月下旬
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巣に離着陸するキイロスズメバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】
キイロスズメバチ移動巣の定点観察#10
前回の定点観察から5日後に再訪すると、キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)の移動巣(第二次巣)の外被作りは一段落した様子。
予想した程は大きくなっていませんでした。
動画に撮りながら巣の回りを一周して、360°の全体像を記録してみました。
(かなりアナログで原始的なパノラマ撮影です。)
東屋(六角堂)内のベンチや柱に躓いたりぶつかったりすると天井裏の巣に振動・衝撃を与えキイロスズメバチを怒らせてしまうので危険です。
慎重にゆっくり動けば刺されることはありません。
外被の鱗模様が惚れ惚れするほど美しいですね。
ちなみに巣の大きさを比較する対象として、巣が吊り下げられた天井の梁(太い角材)の幅は11.5cm、天井板の幅は14.5cm。
外被の直径を比で求めると、10.1cmと算出されました。
多少の誤差はあるかと思いますが、6日間で7.5cmから10.1cmに成長したことになります。
つづく→シリーズ#11:造巣の微速度撮影
2014年9月中旬
里山の雑木林で樹液が滲むミズナラの幹の上からオオスズメバチ♀(Vespa mandarinia japonica)が歩いて降りて来ました。
途中で立ち止まると、しばし身繕い。
下部の樹液酒場で吸汁していたチャイロスズメバチ♀(Vespa dybowskii)を一蹴し追い払いました。
樹液酒場を占有したオオスズメバチは吸汁を始めるも、なぜか長居せずに飛び去りました。
「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」というジャイアンみたいですね。
ちなみにこの2種はスズメバチ属(Vespa)の中で最強の上位2種です。
『スズメバチの科学』p97によれば、
同所性のスズメバチ属6種の生息する地域で樹液孔における種間順位は、おおむねオオスズメバチ、チャイロスズメバチ、モンスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチ、キイロスズメバチの順である。
2014年8月中旬
▼前回の記事
キイロスズメバチ♀の巣作り
キイロスズメバチ移動巣の定点観察#9
キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)の巣に出入りする外役ワーカー♀の飛翔シーン(離着陸)を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
巣材を運んで帰巣する蜂の姿が撮れています。
その一方、肉団子を搬入する個体を見なかったのはおそらく、未だ巣を引っ越したばかりで給餌すべき幼虫が孵化していないのでしょう。
午前中(8時過ぎ)の撮影で東屋の天井裏は未だ光量不足のため画質が粗く、蜂の羽ばたきがぼやけてしまいました。
カメラの設定で明るさのゲインを上げても、羽ばたきをきれいなスローモーションに撮れず不満が残ります。
ここまでが移動巣を見つけてから2日目の観察記録です。
つづく→シリーズ#10:成長した巣(全景一周)