2013年2月上旬
山裾にある公園の隅で野鳥の古巣を見つけました。
潅木の上の方の枝の三叉になった部分(目測で高さ〜4m)に作られていました。
周囲の環境はアカマツと雑木林の疎林で、近くに沢も流れています。
雪深い冬季は閉鎖されている公園ですが、それ以外の季節は家族連れで結構賑わっています。
そんな場所で警戒心の強い野鳥が巣作りしていたとは意外です。
葉が茂っていれば意外に気づかれないのでしょう。
木によじ登って枝ごと古巣を採集しました。
巣の形状は高さ(深さ)6cm、長径8cm、短径6.5cmの楕円形。
巣材は枯れ草と苔で作られています。
枯れ草を枝に固定するのに白いビニール紐とクモの巣の糸が使われています。
産座の底がスカスカに抜けている点が気になりました。
使用済みの巣が風化(崩壊)しつつあるのか、未完成の作品なのか不明です。
せっかくなので記念に標本として保存します。
枝先に僅かに残った枯葉と翼果から、樹種がカエデの仲間と判明しました。
枝に赤い冬芽も付いています。
春になったら再訪して、葉の形状から更にしっかり樹種を突き止めたいと思います。※1
※1 イロハモミジと判明。
巣の形状、巣材、営巣環境などを元に「日本鳥の巣図鑑」サイトのデータベースを検索してみると、候補としてメジロとサンコウチョウがヒットしました。
同じ里山の雑木林で一度だけサンコウチョウ♂が鳴いている姿を目にしています。
しかし、こんな人気(ひとけ)のある開けた場所の低木でサンコウチョウが営巣するのは考えにくいと思います。
サンコウチョウの巣は底が尖ったカップ状らしい。
コケ類や枯葉をクモの糸で綴り合わせて作る。(『日本動物大百科4鳥類Ⅱ』p123より)
消去法でおそらくメジロ(Zosterops japonicus)の古巣だろうという結論に達しました。
確かに近くの雑木林で以前、巣材の苔を集めるメジロの姿を観察しています。
動画ネタではありませんが、忘れないうちに書き残しておきます。
色んなアングルで写真を沢山撮るよりも動画で記録する方が手軽だったかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿