2025/08/24

ニホンアナグマの母子が引っ越してきた営巣地を突き止めスクワットマーキングを繰り返すヘルパー♂?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/26・午後13:46・くもり・気温31℃(@0:00〜) 
明るい時間帯に撮れた現場の様子です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が転入してきた営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/29・午後21:27・気温23℃(@0:03〜) 
二次林の獣道からやって来たアナグマ成獣が巣口Lの匂いを嗅いでから左へ向かいます。 
2つの巣口L、Rの中間地点で地面にスクワット・マーキングしました。 
横から腹面を見た際に乳房や乳首が見えないので、この成獣はいつもの母親♀とは別個体のようです。 
夜にトレイルカメラが照射する赤外線を反射する目のタペータムが母親♀は右目<左目と不均等なのですが、この個体は左右の目(タペータム)が同じ大きさ(正常)でした。 


シーン2:6/29・午後21:27・気温23℃(@0:29〜) 
別アングルで設置した監視カメラで続きが撮れていました。 
尻を地面に擦りつけて臭腺や肛門腺で匂い付けをするスクワットマーキングを2回連続で行いました。 
やはり腹面に乳房や乳首が見えず、左右の目が均等でした。 
鼻面がやや短いので、素人目には♂のようです。 
もしかしてヘルパー♂(同じ母親♀から前年に産まれた息子)なのでしょうか? 

巣穴Rにも入らず、右へ立ち去りました。 
アナグマ♂と入れ替わりでコウモリがセットに飛来しました。 


シーン3:6/29・午後21:30(@1:03〜) 
数分後に営巣地に戻ってきたアナグマ♂が巣口Lに顔を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
巣口Lに座って再度スクワットマーキングしてから、手前へノソノソと立ち去りました。 


シーン4:6/29・午後21:30(@1:03〜) 
別アングルの映像に切り替えます。 
巣口Lにスクワットマーキングしてから林内へ向かいます。 
林縁でスクワットマーキングを数回繰り返しました。 


【考察】 
ニホンアナグマの母子(母親♀と幼獣4頭)がこの営巣地に転入してきて以来、ヘルパー♂らしき成獣個体の登場は初めてです。 
母親♀が越冬・出産に使った営巣地がどこか別の場所にあるはずです。 
そこではヘルパー♂も同居して、巣穴の穴掘りなどを手伝っていたと思われます。 
幼獣が離乳して長距離を出歩けるようになると、母子はこの営巣地に引っ越してきたのです。 

ヘルパー♂は引っ越しに同伴しなかったのですが、転出した母子の居場所をヘルパー♂が今回ようやく探り当てたのではないかと想像しています。
 「ヘルパー♂参上!」と挨拶代わりにセットのあちこちにスクワットマーキングを念入りに繰り返していたのでしょう。 

このときアナグマの母子家族は巣内で休んでいたと思われますが、採食のため外出中だったのかもしれません。 
ヘルパー♂は巣内に入って家族と合流することはなく、あっさり営巣地から立ち去りました。 

私は暗視映像でアナグマが赤外線を反射する目の大きさの違いだけを頼りに母親♀(右目<左目)を辛うじて個体識別しているのですが、今回ヘルパー♂がたまたま夜に来てくれたおかげで、母親♀ではないと気づくことができました。 
もしも明るい昼間に来ていたら、てっきり成獣は母親♀だと思い込んでいたかもしれません。 


山道から飛び立つミヤマセセリ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午前11:30頃・くもり 

里山を登る山道で、ミヤマセセリ♂(Erynnis montanus)が翅を全開にして地面に止まっていました。 
枯れ葉(落葉)の上で静止していると、広げた翅の斑紋が目立たない保護色になっています。 
そのため、ちょっと目を離しただけで、見失いそうになります。 

曇天なので、日光浴ではなさそうです。 
晴れていても曇っていても、いつも翅を広げて止まるミヤマセセリの場合、日光浴しているかどうか翅形では判断できません。 
近年の分子系統解析によると、セセリチョウ科はタテハチョウ科やアゲハチョウ科よりもやや早い段階で分岐したグループで、やや原始的な特徴を持つのだそうです。 
翅の開閉で体温を調節する行動がセセリチョウ科では発達しなかったのだろうか。 

関連記事(16年前の撮影)▶ ミヤマセセリの日光浴

口元に注目すると、ゼンマイ状の口吻を少しだけ伸縮させたものの、地面や落ち葉を舐めてミネラル摂取をしている訳ではありませんでした。 

飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:00〜) 
すばやく羽ばたいて飛び去りました。 
しかし少し飛んだだけで、同じ山道に着陸します。 
♂は山道に沿って縄張りを占有し、交尾相手の♀が来るのを待ち伏せしているのかもしれません。 


2025/08/23

砂防ダムの堰堤で助走からロンダートするついでにススキの葉を食べる若いニホンザル

 

2024年6月中旬・午前11:00頃・晴れ 

里山から流れ出る沢を山麓の砂防ダムがいったん堰き止めています。 
その砂防ダムに野生ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが集まっていました。 

独りで右から来たお調子者の子猿が、コンクリートの堰堤に両手をついて逆立ち?しかけました。 
その場に座り、痒い体を手で掻いてから左へ小走りに消えました。

何気ないシーンでしたが、1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:10〜)、実は子猿が一瞬で色んなことを素早くやっていました。 
右から助走してきた子猿が、砂防ダムのコンクリートの隙間から生えたススキの葉先を通りすがりにかじって食べていました。 


ちょっとスピードを出し過ぎた助走から急停止するために、体操の技のロンダートを決めたようです。 (やや中途半端?)
子猿が遊びで逆立ちしたときに興奮で失禁し、小便を撒き散らしたように見えたのですが(いわゆる「嬉ション」)、何度もスロー再生すると私の錯覚だったようです。 
このコンクリート堰堤から落ちると大怪我しそうな高さですが、堰堤の幅は230cmで余裕があります。
高所も平気なニホンザルにとっては、こんな軽業も朝飯前です。
しかし高所恐怖症のヒトにとっては、まるで細い平均台の上で助走からのローンダートを決めながらアクロバティックに採食しているようで、見ているだけで恐怖を覚えるかもしれません。

この子猿の性別を私にはしっかり見分けられません。 
一瞬見えた股間に小さな陰茎らしきものが見えたものの、睾丸は見えませんでした。 
素人目には若い♀のような気がするのですけど、胸に乳首は見えません。 

子猿は砂防ダムでススキを採食すると(文字通り道草を食うと)、座ってもぐもぐと口で咀嚼しています。 


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