2024/05/19

ニホンアナグマの幼獣4頭と母親♀の群れが旧営巣地をうろつきスクワットマーキング【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年8月下旬・午後22:55頃・気温26℃ 


シーン0:8/14・午後13:51(@0:00〜) 
シーン1:8/14・午後14:13(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)一家が転出した後の旧営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで見張っています。 


シーン2:6/2・午後22:53(@0:07〜) 
晩遅くに林縁をアナグマ3頭の群れがうろついていました。 
奥の二次林から更にもう1頭がやって来ます。 
一番手前にいる個体が、腹面に乳首のある母親♀と判明。 
赤外線の暗視映像で見たときに、左右の目の大きさに差があるのが、母親♀の特徴です。(右目<左目) 
残る2頭は幼獣なのでしょう。 
各々が林床で餌を探し回ったり毛繕いしたりしています。 
母親♀が左へ向かうと、その動きに反応して対面のトレイルカメラの赤外線LEDが点灯しました。 
ミズキ立木の背後からもう1頭現れ、二次林の奥から更にもう1頭が登場し、珍しく幼獣4頭が勢揃いしました。 
計5頭の家族群(母子)のようです。 
親子で並ぶと依然として体格差がありますが(母親♀>幼獣)、幼獣もだいぶ大きくなりました。 
幼獣だけを単独で見たら、成獣と見分けがつかないかもしれません。 
左から戻ってきた母親♀が右へ立ち去りました。 


シーン3:6/2・午後22:54・気温26℃(@1:07〜) 
別アングルで設置した監視カメラに続きが記録されていました。 
左から歩いて来た母親♀は、巣口Lの匂いを嗅いだだけで、中には入りませんでした。 
離乳した後は、腹面の乳首はあまり目立たなくなりました。 

母親♀と入れ替わるように幼獣が登場。 
巣口LRの中間地点に座り込んで、スクワットマーキングしました。(@1:31〜) 
ここは最近よくマーキングする地点です。 
しかし、次に来た幼獣はそこで匂いを嗅いだものの、スクワットマーキングしませんでした。 


シーン4:6/2・午後22:54(@1:43〜) 
アナグマの幼獣たちが広場から次々と右へ移動して行きます。 
最後に残った幼獣が地面の匂いを嗅いでから、地面に尻を軽く擦り付けました。(スクワットマーキング@1:55〜) 
巣口Rに興味を示す個体は居ませんでした。 


【考察】 
母親♀および幼獣4頭の家族群が採食のついでに旧営巣地へ立ち寄ったようです。 
単独行動を好む幼獣が1頭いるので、幼獣の兄弟姉妹4頭が全員揃ったのは珍しいです。 
ヘルパー♂はいつものように別行動でした。 



池で後脚が生えたトウホクサンショウウオの幼生

2023年8月下旬・午前11:25頃・晴れ 

定点観察している山中の水場に久しぶりにやって来ました。 
私が池に近づくと、岸から水中に数匹のカエルが飛び込んで逃げました。 
トノサマガエルとツチガエルがちらっと見えたような気がして水中を探すと、1匹のツチガエルGlandirana rugosa)だけ見つけることができました。 
ストロボを炊いて撮った写真を見直すと、トウホクサンショウウオHynobius lichenatus)の幼生も端っこに写っていたのに現場では全く気づきませんでした。(痛恨のミス!) 
後脚が左右にまっすぐ延びています。 

関連記事(同所で1年前および2ヶ月前に撮影)▶  


本当はもっと頻繁に通って定点観察すべきだったのですが、さぼってしまいました。 
2023年の夏は記録的な酷暑となり、現場入りするための登山をすると、熱射病で命の危険を感じるほど過酷でした。
2023年夏の昼間に撮った虫の動画が少ないのも、そのためです。 
その点、トレイルカメラに任せれば文句も言わずに無人で撮影してくれるので助かりました。(直射日光が当たる場所だと熱暴走するおそれがあります。) 


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北海道のサンショウウオたち
トリミングした写真。

アナグマの旧営巣地で落ち葉をめくって虫を探すクロツグミ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年9月上旬


シーン1:9/7・午後17:35(@0:00〜) 
未だ明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
定点観察して初めて分かったのですが、夏でも林床が新しい落ち葉で覆われています。
(二次林で落葉するのは秋、という先入観に囚われていました。) 
トレイルカメラの動画でも、ときどき落ち葉がハラリと舞い散る様子が撮れています。 
この二次林は枝葉が充分に生い茂っているため(林冠の閉鎖)、日光を巡る競争に負けた葉はどんどん落としてコストカットするのでしょう。 
晴れた日に林床に落ちる木漏れ日が小さいことで、林冠の閉鎖状況が見上げなくても分かります。


シーン2:9/7・午前6:10(@0:04〜) 
早朝から真っ黒な小鳥がアナグマ旧営巣地の巣口Rに来ていました。 
腹面が白く、どうやらクロツグミ♂(Turdus cardis)のようです。 

樹冠から垂れ下がっている蔓に一瞬だけ跳び乗りました。 
手前に転がっている朽木の横をピョンピョン跳ねるように通り過ぎました。(ホッピング) 
画面右下の林床で、クロツグミ♂は落ち葉を嘴で素早く左右に払い除け、隠れている虫を探しています。(@0:20〜) 
最後は右に飛び去りました。 

この二次林でクロツグミが生息しているとは知りませんでした。 
現地入りした際におそらく♂がさえずる美声を聞いていたはずですが、私はまだ鳴き声を聞いただけで「クロツグミが居る!」と判断できませんでした。 
春に近くで見つけた大量の黒い羽毛は、クロツグミが猛禽に狩られた痕跡だったかもしれない、と謎がひとつ解けました。 



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が営巣していた時期には、母親♀が幼獣の巣材(寝床)として落ち葉を定期的かつ大量に掻き集めていました。 
アナグマ一家が転出した(6月中旬)後は巣材集め(落ち葉掻き)する者が居なくなったので、林床に落ち葉が大量に散乱しているのです。
その結果、落ち葉の下に隠れている虫が増え、それを狙ってクロツグミが来るようになったのでしょう。
「風が吹けば桶屋が儲かる」 みたいな話ですが、クロツグミが撮れるようになった理由が一応説明できます。
「アナグマが引っ越せば落ち葉めくりをする鳥が儲かる」





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