2023年6月上旬・午後14:45頃・晴れ
ニホンアナグマ(Meles anakuma)が営巣する平地の二次林で、若いミズキの木を下向きになって降りて行くスジクワガタ♂(Dorcus striatipennis striatipennis)を見つけました。
白っぽい幹に黒々としたクワガタムシが動いているとよく目立ちます。
(鳥に捕食されるのではないかと心配です。)
地上に向かって幹をどんどん下りていきます。
小さなアリ(種名不詳)とすれ違いましたが、ニアミスしなかったので何事も起こりませんでした。
採集・採寸するつもりだったのに、私がちょっと目を離した隙に地上に下りたようで、見失ってしまいました。
ミズキの根元や地表に達してからの行動を見届けるまで動画を撮り続けるべきでした。
写真を見直すと大顎の内歯が2歯あるので、コクワガタ♂ではなくスジクワガタ♂ですね。
「スジ」クワガタと言っても鞘翅に縦筋が無いので、比較的大型の個体なのでしょう。
岡島秀治、山口進『検索入門クワガタムシ』
現場では樹種が分からなかったのですが、樹皮、葉裏および未熟果の写真から総合的にミズキと判明しました。
上翅は小形の個体で明瞭な縦条をもつが、中〜大形の個体になるにしたがって次第に不明瞭となり、やがて消失する。(p108より引用)
スジクワガタ♂はミズキの木の上部で樹液を吸っていたのかもしれませんが、ミズキの樹液酒場なんて私は見聞きしたことがありません。
ネット検索すると、ミズキから滲み出る樹液はファフィア酵母なる特殊な酵母の分解作用で発酵すると鮮やかなオレンジ色になるらしい。
最後は引きの絵(全景)から上にパンして林冠の様子を写しました。
雑木の葉がびっしりと重なり合うように生い茂り、日光が射し込む林冠ギャップが殆どありません。 (空が見えない)
ミズキの左隣に生えた、棘だらけの細い幹は若いハリギリの木です。
すぐ右にはアナグマの巣穴があります。
※ 分かりやすく見せる演出の都合上、動画素材の順序を入れ替えました。