2024/01/24

田植え後の水田で採食するカルガモ(野鳥)

 

2023年6月上旬・午前10:35頃・晴れ 

田植えの済んだ水田に1羽のカルガモAnas zonorhyncha)が飛来、着水しました。 
(映像はここから。) 
ときどき嘴を開閉して鳴き声を発しているようですが、風が強い上に遠くて聞き取れません。 
仲間を呼んでいるのでしょうか? 
(私の見る限り、周囲にカモ類は全くいないようです。) 

しばらくすると、田んぼの水面を遊泳しながら嘴を水中に突っ込んで採食を始めました。 
採食の合間にもときどき鳴いています。 

やがて、キジ♂(Phasianus versicolor)が母衣打ちをする絶叫♪がケンケーン♪と辺りに響き渡りました。(@1:10〜) 
縄張りを宣言するキジ♂の声量は圧倒的です。 

稲作で除草剤や殺虫剤をなるべく使わないようにする有機農業にアイガモ農法という試みがあります。 
私は未だ実際に見たことはありませんが、アイガモの雛鳥や若鳥を田植え後の水田に放ち、自由に遊泳・採食させることで、雑草や害虫の発生を抑えることが期待できます。 
アイガモの糞はそのまま水田の肥料となり、育ったアイガモは鴨肉として食べる、という一石二鳥どころか、三鳥、四鳥もあるアイデアです。 
しかし手間の割には肝心の除草効果が安定しないなどの課題が浮かび上がってきたそうです。 

水田で採食する野生のカルガモの数が多ければ、アイガモ農法と同じ原理で除草効果が期待できます。
しかし、野鳥は自由気ままに飛び去ってしまうのが問題です。
(だから合鴨農法では飛べない雛や若鳥を使うのです。)
実は今回、カルガモが採食する田んぼの隣の区画では、最先端のアイガモ・ロボットが黙々と稼働していました。 


2024/01/23

夜の丸木橋を続けて渡るハクビシンのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月下旬

ハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が丸木橋を利用するシーンをまとめました。

シーン0:5/18・午後12:55・(@0:00〜) 
明るい昼下がりにたまたま撮れた現場の様子です。 
画面の手前から奥に向かって浅い小川が緩やかに流れています。 
左岸に立っていたニセアカシアが右岸に向かって倒れた結果、天然の丸木橋となっています。 
倒木の状態になってからも横枝が湾曲しながら真上に向かって何年も成長したようです。 


シーン1:5/21・午後22:19・(@0:05〜) 
ある晩、2頭のハクビシンが相次いで丸木橋を渡っていました。 
♀♂つがいなのかな? 
この地点で♀♂ペアが行動を共にするのは初見です。 

後続個体は両目がギラギラと白く光っていて正常ですが、先頭個体は隻眼のようです。 
両眼視の不自由な隻眼個体が自信満々に夜の丸木橋を先導していたとは意外でした。 
視覚のハンディキャップをほとんど感じさせません。
隻眼個体の木登り能力が気になります。 


シーン2:5/24・午前0:03・(@0:16〜) 
3日後の深夜にカメラが起動したときには、謎の野生動物が丸木橋を左から右に渡り終えるところでした。 
右岸を登りかけたものの、なぜか引き返して来ました。 
猫かと思いきや、倒木を伝って右岸から左岸へ渡ったのは、尻尾が長いハクビシンでした。 
両眼が正常な個体です。 
監視カメラの電池が消耗していたせいで、ハクビシンが左岸を登りかけたところで録画が打ち切られてしまいました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

つづく→? 

野生動物が渡る丸木橋を少なくとも通年は定点観察したいところですが、諸事情によりこの地点での監視を打ち切り、トレイルカメラを撤収しました。 
初夏になり下草や木の葉の成長が旺盛になると、画角の視界が遮られたり、草木の風揺れによる誤作動がますます増えたりして、続けてもストレスの多い撮影になりそうと判断しました。 
限られた撮影機材をアナグマなど他のプロジェクトに集中投入します。(選択と集中)


幼虫を運んで引っ越しをするトゲアリ♀の行列

 

2023年5月下旬・午後13:00頃・晴れ 

トゲアリPolyrhachis lamellidens)の行列が二次林の林床を横切るように移動していました。 
地面よりも細い落枝をなるべく選んで伝い歩きしているようです。 
仲間とすれ違う際には、触角で挨拶を交わします。 

トゲアリ大群の行列をよく観察すると、大顎で白い幼虫を咥えて運んでいるワーカー♀がいます。 
トゲアリが奴隷狩りをするという話は聞いたことがないので、おそらくコロニー全体が新しい巣へ引っ越すところなのでしょう。
・何らかの理由で環境が悪化すると、一旦乗っ取りに成功して繁栄した巣穴を捨てて、近距離の別所に引っ越す場合もある。

・本種は他のアリのコロニーに一時的に寄生する一時的社会寄生を行う。寄生するアリの種としては、クロオオアリ、ミカドオオアリ、ムネアカオオアリが確認されている[1]。 (wikipedia:トゲアリより引用)

右から左に向かって引っ越しているはずなのに、画面の左端で小さな幼虫を咥えた♀がなぜか逆行しようとして立ち止まっているのが興味深く思いました。(@0:53〜) 
ワーカー♀にも引っ越しをサボりたい個体がいるのでしょうか? 



アナグマの営巣地に向かう途中だった私は先を急いでおり、トゲアリの新旧の営巣地を確かめる余裕がありませんでした。 
若葉が鬱蒼と生い茂った林内は晴れた昼間でもかなり薄暗く、カメラのAFでもピントを合わせるのに苦労しました。

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