2024/01/16

巣穴の外で幼獣を毛繕いしてやるニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2023年5月下旬・午後20:50頃 

ある晩、ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)が幼獣を運ぶ引っ越しの途中なのか、2つの巣口RLの中間地点に幼獣を置いて、その毛皮を念入りに舐めていました。 
母親♀が目を離すと、幼獣はヨチヨチと這うように歩いて奥の巣口Rへ向かって移動しようとします。 
♀は向きを変えながらも、幼獣への対他毛繕いを続けています。 
幼獣の首筋を咥えながら、♀は左足で自分の体をボリボリ掻きました。

※ トレイルカメラの電池が消耗しており、細切れ映像をつなぎ合わせたものになりました。 


山林を歩きながらエゾユズリハとマルバアオダモの葉に眼下腺マーキングするニホンカモシカ

 

2023年5月下旬・午後13:05頃・晴れ 

この日の私は熊撃退スプレーをうっかり持参し忘れたので、念の為に熊よけの鈴を鳴らしながら里山の山道を歩いていました。 
ふと気づくと、山道に隣接するスギ林の茂みの奥からニホンカモシカCapricornis crispus)がこちらを覗いていました。 
どう考えても、私が鳴らす鈴の音♪に興味を持って近づいてきたとしか思えません。 
カモシカは好奇心旺盛で、人工的な鈴の音を恐れないようです。 

カモシカは初め、茂み(ヤマウルシ、ウワミズザクラなどの低木)の陰に隠れて私の方をじっと見据えていました。 
現場は斜面で、私がカモシカをやや見下ろしています。 
なんとなく顔馴染みの個体のような気がするのですけど、個体識別ができていません。 
角や耳介に分かりやすい特徴はありませんでした。 

画面の奥に見えるスギ植林地にタヌキの溜め糞場opがあり、それをトレイルカメラで監視していた時期があるのですけど、そのときに写っていたカモシカの1個体と思われます。



やがて警戒を解いたカモシカは、横を向いて鼻を上げ、風の匂いを嗅いだようです。 
 次にエゾユズリハの葉裏に顔を擦り付けて眼下腺マーキングしました。(@1:12〜) 
エゾユズリハの葉に眼下腺マーキングしたのを見たのは、これが2回目です。
初回の観察記録はこちら
エゾユズリハの葉を食べるカモシカを初冬に見たことがあるのですけど、今回は食べませんでした。

山道で突っ立っている私を迂回するように、カモシカはスギ林縁を移動し始めました。 
足音を立てず静かに歩くニホンカモシカは、ときどき立ち止まって私の様子を伺っています。 
今回のニアミスで、このカモシカは私に対して鼻息を荒らげて威嚇することはありませんでした。(やはり顔馴染みの個体?) 

慎重に山道に現れたカモシカは私を一瞥してから(見下ろしてから)、道端に生えた灌木の葉裏に再び顔をスリスリと擦り付けて眼下腺マーキングしました。(@2:46〜) 
その直後にぺろりと舌舐めずり。 

ニホンカモシカが眼下腺マーキングする対象物と言えば、太い幹、細い枝先、木の葉と3つのパターンがあります。

その後カモシカは山道をゆっくり登って立ち去りました。 

カモシカが立ち去った直後に、眼下腺マーキングした大きな若葉を現場検証しました。 
落葉性広葉樹の幼木で、樹高は約1m。
羽状複葉の葉縁に浅い鋸歯があり波打っています。 
私には樹種が突き止められなかったので、ときどきお世話になっている「このきなんのき掲示板」にて問い合わせたところ、マルバアオダモと教えてもらいました。


今回はカモシカが灌木の若葉を採食する行動は見られなかったものの、移動しながらあちこちの灌木の葉裏に次々と眼下腺マーキングする様子を観察できました。 
私と出くわした不安からくる転移行動、という要素もあるのかもしれません。 
マーキング(匂い付け)する樹種にこだわりは無さそうです。 
私に対して鼻息威嚇こそしなかったものの、この山林は自分の縄張りであることを眼下腺マーキングによってやんわり主張したことになります。

2024/01/15

巣穴の横でスクワットマーキングおよび排尿マーキングを繰り返すニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月下旬

シーン1:5/27・午後22:50・(@0:00〜) 
ある晩にニホンアナグマ♀(Meles anakuma)がノソノソと手前の巣穴Lに入りました。 
しばらくして同じ巣穴Lから外に出てくると、身震いしてから腰を屈めて地面に尻を擦り付けました。 
2つの巣穴LRの中間地点に臭腺や肛門腺でスクワットマーキングしたようです。 


シーン2:5/28・午後17:47・(@0:27〜)日没時刻は午後18:56。 
翌日の夕方に入巣Lした♀が前進で出巣Lすると、身震いしてから巣口LRの中間地点で腰を屈めました。 
今度は尻を地面にこすりつけるのではなく、おそらく排尿マーキングしたようです。 
巣口Rを点検してから右に立ち去りました。 


シーン3:5/29・午後18:51・(@1:12〜) 日没時刻は午後18:56。 
翌日も日没直前に♀が巣口RLの間で佇んでいます。 
向きを変えてカメラ目線になった後に、腰を落としてなんとなく排尿したような気がします。 
身震いしてから右へ立ち去りました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

今回はアナグマ♀が立ち止まって腰を少し屈める体勢から排尿したのではないかと推察したのですが、実際に小便を排泄する様子の決定的な証拠映像が翌月に奇跡的に録画されていました。(映像公開予定) 


我々ヒトの感覚では自宅の近くで日常的に立ち小便するのは衛生面で抵抗がありますけど、アナグマは縄張りを積極的にマーキング(匂い付け)する意味があるのでしょう。 


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