2023/10/30

ゴイサギ幼鳥の死骸を見つけた!(野鳥)

 

2023年4月中旬・午後15:50頃・くもり 

平地の休耕地(夏はソバ畑)の端に自生する落葉灌木(オニグルミ?)の下に鳥の死骸を見つけました。 
辺りに羽毛が散乱しているということは、捕食者に狩られた食べ残しなのかな? 
手に直接触れないように小枝を使って死骸を裏返してみるとミイラ化した頭部が現れ、ゴイサギNycticorax nycticorax)の幼鳥(俗称ホシゴイ)だと判明しました。 
体が不自然に曲がった状態で固まっています(死後硬直)。 
大きさの比較として、長さ20cmの熊よけスプレーを横に並べて置きました。 

春が来て残雪が溶けたのに、屍肉食性の昆虫は全く来ていませんでした。 
古い死骸だと思うのですが、死亡推定時刻どころか、いつ死んだのか不明です。 

この死骸について、私なりに推理してみました。
死体発見現場は溜池から数百m離れた地点でした。 
夜行性のゴイサギを、昼間にその池で見たことはありません。 
夜になると採食のために飛来するのでしょう。 
餌場の溜池から少し離れた防風林をねぐらとしていたゴイサギ幼鳥が冬の間に死んだようです。 
寒さや飢えで死んだのか、猛禽などの捕食者に狩られたのか、解剖しないと詳細は不明です。 
この辺りは様々な野生動物(テン、ハクビシン、タヌキ、キツネなど)が生息しているのに、死骸がミイラ化して干からびるまで放置されていたのは不思議です。 
おそらく根雪の下に長期間埋もれていたせいで、カラスやトビなどのスカベンジャーに見つからなかったのだろうと推測しています。 

せっかく見つけたゴイサギ幼鳥の死骸を回収して頭骨標本を作ろうか、そのまま放置してスカベンジャーが来る様子を監視カメラで撮影しようか、悩みました。 
しかし当時の私は複数のプロジェクトが同時進行中で忙しく、とても余力がありませんでした。 
限られた台数のトレイルカメラをやりくりするのは大変で、どうしてもプロジェクトの優先順位をシビアに決める必要があります。 

定点観察のため7日後に現場を再訪してみると、ゴイサギ幼鳥の死骸は無くなっていました。 
屍肉食性の野鳥(カラスやトビ)または野生動物が死骸を見つけて持ち去ったのだろうと推察しています。 


※ 私の悪い癖なのですが、現場の状況を動画で記録する際に寄りの絵でカメラをせっかちに振り回してしまい、動きが激し過ぎて酔いそうな映像になってしまいました。 
苦肉の策として、再生速度を70%に落としたスローモーションでお届けします。 
音声がやや間延びしているのは、そのせいです。

2023/10/29

小川に架かる倒木を夜な夜なペアまたは単独で渡るホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月中旬〜下旬

小川に架かったニセアカシア倒木が天然の丸木橋になっています。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が夜な夜な渡る様子をまとめました。


シーン0:4/6・午後15:47・気温23℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
小川が画面の手前から奥に向かって緩やかに流れています。 


シーン1:4/11・午後18:54・気温12℃(@0:05〜) 
日没時刻は午後18:13。 ちょうど日没時刻なのに、もう真っ暗です。 
カメラの起動が遅れ、タヌキが丸木橋を左岸から右岸へ渡る途中でした。 
右岸を登ったところで、待っていた先行個体と合流しました。 
どうやら先行個体が渡る様子は撮り損ねたようです。
この2頭は、行動を共にしている♀♂つがいのパートナーなのでしょう。 
小川の流れる音でかき消されてしまっているのか、鳴き交わす声は聞き取れませんでした。 

ところで、気温が低くない晩なのに、みぞれのような白い物が舞っています。 
これは雪なのか、それともいわゆる雪虫(アブラムシの一種)や花粉なのか、気になります。 


シーン2:4/19・午後18:58・気温(@0:22〜) 
日没時刻は午後18:21。 
8日後の晩には、まず先行個体aが丸木橋を左岸から右岸へ慎重に渡りました。 
タヌキはハクビシンよりも慎重に渡るようです。 


シーン3:4/19・午後19:00・気温(@0:49〜) 
ちょうど1分後に、後続個体bが左岸から右岸へ倒木を渡りました。 


シーン4:4/21・午後22:58・(@1:14〜) 
2日後の晩にはカメラの起動が遅れたせいで、丸木橋を右岸から左岸へ渡り終えるタヌキが写っただけでした。 
左岸の崖を登って笹薮の茂みに消えました。 


シーン5:4/23・午後19:17・(@1:23〜) 
さらに2日後の晩には、 ♀♂ペアが仲良く縦列で間隔を空けずに丸木橋を慎重に渡りました。 2頭のタヌキが同時に渡っても丸木橋の耐久性に全く問題はありません。 
右岸の茂みの奥から赤外線を反射するタヌキの目が白く光っています。 


シーン6:4/25・午後19:02・気温20℃(@1:51〜) 
逆アングルに設置した監視カメラからの暗視映像です。 
丸木橋そのものよりも、その右隣にある左岸の穴が気になって重点的に監視しています。
(野生動物の巣穴ではないかと疑っています。)

日の入り時刻は午後18:26。 
2日後の晩にまず先行個体が左岸に現れ、崖を下りて丸木橋を右岸に渡り始めました。 
渡り終えるときに対岸(左岸)に設置した別のトレイルカメラがようやく起動し、赤外線LEDが照射されました。


シーン7:4/25・午後19:02・(@2:11〜) 
別アングルから撮れた映像がこちらです。 
旧機種のカメラはタイムスタンプの時刻がすぐに狂い始めるので困ります…。 

倒木を伝って左岸から右岸へ渡り終えたタヌキが右岸の茂みに姿を消しました。 
そのまましばらく動画を撮り続けると(退屈なので5倍速の早回し)、左岸の茂みの奥から2つ白く光る目が現れました。(@2:33〜) 
タヌキの後続個体が丸木橋を左岸から右岸へ渡り、先行個体の後を追います。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→


夏羽に換羽中のノビタキ♂(春の野鳥)止まり木からの飛翔および排便

 

2023年4月中旬・午前10:40頃・晴れ

平地に広がる刈田の横で、冬芽から若葉が芽吹き始めた落葉灌木の天辺にノビタキ♂(Saxicola torquata)が止まっていました。 
樹種はおそらくオニグルミだと思います。 
当地で見られるノビタキは、渡りの途中で春と秋に立ち寄るだけの旅鳥です。 

この個体は冬羽から夏羽への生え変わり(換羽)が未だ不完全で、黒色が薄いです。 
バードリサーチニュースの生態図鑑でノビタキについて調べると、
冬羽から夏羽への移行は,換羽ではなく摩耗によることが知られるが,一部は換羽している可能性もある .
関連記事(2年前の同時期に撮影)▶ 夏羽のノビタキ♂を見つけた!(野鳥)


樹冠の止まり木から止まり木へ少し飛んで移動してから、少量の白い糞をポトリと排泄しました。 
その糞はオニグルミ灌木の幹に付着したので、種子散布は失敗です。 
最後は右下へ羽ばたかずに飛び降りました。 
脱糞および飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:35〜) 

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