2023/02/22

巣穴に帰る途中で少し迷うモンスズメバチ♀

 



2022年6月中旬・午前11:35頃および午後13:45頃・晴れ 

拡張工事中の巣穴から不要な土砂を外に捨てるために、モンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が何匹も忙しく出入りしています。 
蜂が帰ってくると、そのかすかな羽音で気づきます。 
巣口に向かって一直線に飛来するのではなく、一度通り過ぎてしまうことが多いようです。 
うまく流し撮りできた帰巣シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
営巣地の周囲に咲き乱れるブタナの花で栄養補給のために吸蜜するかと期待したのですが、訪花シーンは一度も見れませんでした。

初めて出巣する際に定位飛行して巣口の周囲の風景をしっかり記憶したはずですが、覚えたときと同じ向きで戻らないと、帰巣できないのかもしれません。 
あるいは、私が巣穴の近くの地面に荷物を下ろし、突っ立って撮影しているために、営巣地周辺の景色が蜂にとって激変してしまい、少し迷子になっているのかな? 
迷子になったのではなく、私に対して警戒した蜂が営巣地の周辺を偵察してから帰巣した、という可能性も考えられます。 

巣穴から少し離れてじっとしている限り、モンスズメバチ♀は私に対して攻撃してきませんでした。 
対スズメバチ専用の防護服を着用しなくても、蜂の習性を理解していれば、これぐらいの映像は安全に撮れます。
この日は三脚を持ってこなかったので、撮影手法は限られてしまいます。

生き物の自然な行動を観察したい私としては、観察行為そのものが観察対象の行動に影響を与えてしまう、という問題にいつも頭を悩まされます。 
充分に離れた位置から望遠レンズで撮影したり、ブラインドを張って(カモフラージュ)隠し撮りしたり、無人センサーカメラを使ったり、様々な手法が先人の動物カメラマンによって開発されてきました。




2023/02/21

夜のスギ林道を走り回る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2022年9月中旬 

里山のスギ林道にある溜め糞場sを自動センサーカメラで見張っていると、秋になってもときどき夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が写ります。 
夜に餌を探し歩いていると思われますが、スギ林の林床に野ネズミの餌が豊富にあるとは思えないません。
タヌキやアナグマの溜め糞に含まれる種子を食べたり糞虫を捕食したりするでもなく、単なる移動経路のようです。 


シーン1:9/14・午前1:36・気温22℃ 
画面の右下隅に居た野ネズミが右へ走り去りました。 


シーン2:9/15・午前2:39・気温18℃(@0:05〜) 
画面中央から林道を左へチョロチョロと走り去りました。 
タヌキの溜め糞には興味を示さず、すぐ横を素通りしました。 


シーン3:9/15・午前2:50・気温19℃(@0:17〜) 
画面の右下を右に移動して行きます。 


シーン4:9/15・午後19:37・気温20℃(@0:27〜) 
画面中央を左に移動。 


シーン5:9/15・午後20:11・気温20℃(@0:42〜) 
今回も画面中央から左に移動。 
カメラの赤外線LEDが強過ぎて画面中央部は白飛びしていたので、動画編集時に少し暗くしたら見やすくなりました。 
タヌキの新鮮な溜め糞上では様々な虫が蠢いているのに、野ネズミは虫を捕食することもなく素通りしました。 


シーン6:9/15・午後23:54・気温18℃(@1:01〜) 
このときは珍しく、画面中央から一旦右に移動してから、再び戻って来ました。 
尻切れトンボで録画が打ち切られて残念。 


シーン7:9/17・午前3:34・気温18℃(@1:46〜) 
スギの落ち葉が敷き詰められた林道を右から左へ走り去りました。 
タヌキの溜め糞をピョンピョン跳んで通り過ぎる際に、足で踏んでしまっています。 


センサーが感知してから録画開始するまでの反応速度が早い新機種のトレイルカメラを使っているのに、野ネズミがどこから現れるのか毎回分かりません。 
小さな野ネズミの個体識別なんて到底無理ですが、どうやら夜の巡回ルートが大体決まっているようです。
カメラの設置アングルを少し変えてみたりしつこく試行錯誤した結果、実は近くに野ネズミの巣穴があることが後々分かってきます。



草を両手で挟み込んで食べるヒロバネヒナバッタ

 

2022年9月中旬・午後13:45頃・晴れ 

里山の尾根道に残されたタヌキの溜め糞cを観察していると、ヒロバネヒナバッタStenobothrus fumatus)が来ているのを見つけました。
マクロレンズで接写してみました。 


バッタも獣糞に含まれている種子を食べるのかと思いきや、溜め糞の横に疎らに生えたイネ科の草の葉(種名不詳)を食べ始めました。 
左右の前脚の先(跗節)で草をしっかり挟み込んで食べる様子がなんとも可愛らしいですね。
腹端が見えなかったので、性別不明です。 
後膝が黒いことから、ヒナバッタは除外できます。(参考:保育社『検索入門セミ・バッタ』p120) 


関連記事(11年前の撮影)▶ ヒロバネヒナバッタ♂の鳴き声♪
 

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