2022/10/18

池の落枝で佇むカワウ若鳥が水面を助走して飛び立つまで(野鳥)

 

2022年7月下旬・午後17:00頃・晴れ 

溜池で初めてカワウPhalacrocorax carbo hanedae)を発見。 
若鳥が1羽、落枝(流木?)の上に片足立ちで乗り、夕方の西日を浴びていました。 
水面からの照り返しもあり、白飛び気味になってしまいました。 
近くに居たアオサギは警戒心が強く、私が池畔からカメラを向けた途端に続々と飛び去ってしまいました。 
カワウは上げていた左足を下ろしたものの、キョトンとして辺りを見回しています。 
やがて、翼を震わせ羽毛を逆立てました。 
周囲に水鳥の仲間がいないとやはり不安になるようで、辺りをキョロキョロ見渡しています。 
最後は飛び去るために助走開始。 
残念ながら手前の草むらが邪魔で、飛び立つ様子を見届けられませんでした。 
助走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
翼を広げ足を屈めて落枝から水面に飛び降りると、水面を両足跳びで走っています。 
今回の個体は、飛び立つ直前に軽量化の脱糞をしませんでした。 
カワウが居なくなると、重みで水面下に沈んでいた落枝が弾性・浮力で戻りました。 

※ 最後の助走シーンのみ水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

コナラの樹液を吸うアオカナブンとしばし遊ぶ

 

2022年7月中旬・午後16:10頃・晴れ 

里山の山道の横に生えたコナラの幹に鮮やかなメタリックグリーンが光っていました。 
お!と思って近づくと、アオカナブンRhomborrhina unicolor)が樹液酒場で吸汁していました。 
黒くボロボロに朽ちかけた部分の幹から樹液が滲んでいるようですが、樹液の発酵臭を私の鼻では全く嗅ぎ取れませんでした。 
初めは下向きで幹をうろついていたアオカナブンが上向きに方向転換し、幹の裂け目に口吻を差し込んで吸汁開始。 

他にはハエ類とアリ類も樹液酒場に群がっていました。(種名不詳) 
近くに居る煩いハエを追い払うために、アオカナブンは前脚で軽く払い除けたり頭を跳ね上げたりしています。 
アオカナブンの体の側面から横に生えている尖った突起が格好良くて、いつも気になっています。 
この器官の正式名称と役割を知りたいところです。 
自衛用の武器なのでしょうか? 
それとも飛翔時に役立つ器官なのかな? 

アオカナブンと正しく同定するためには、識別点の腹面を確認する必要があります。 
カナブンの緑化個体と似ていて紛らわしいのですが、私は未だ調べた数が少ないこともあり、カナブン緑化個体を見つけたことがありません。 
手掴みした瞬間に驚いたアオカナブンが反射的に透明なオシッコを排泄したものの、残念ながら私の手で隠れてしまい、しっかり写っていません。 
樹皮に食い込んだ爪を引き剥がすのに苦労しました。 
仰向け状態で擬死している間に腹面を接写すると、胸部中央部から細長い突出した構造があることからアオカナブンと判明。 
また、左右の後脚のつけ根が接していることもアオカナブンの特徴です。
【参考図書】 
・『くらべてわかる甲虫1062種』p59 
・『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p49

なんとか自力で起き上がると、私の手の上を慌てて走り回り、すぐにブーン♪と重低音の大きな羽音を立てて飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、 鞘翅は閉じたままで、横の隙間から後翅を広げて羽ばたいていることが分かります。

2022/10/17

タヌキと同じ溜め糞場に排便するニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年7月下旬・午後21:33 

里山のスギ林道に残されたタヌキの溜め糞場sを自動撮影カメラ(トレイルカメラ)で監視していると、意外な野生動物が現れました。 
カメラの起動が間に合わず、どこから登場したのか撮れていないのは残念です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)が溜め糞に左向きで跨がり、長い落枝の上で軟便をボトボトと排泄しています。 
アナグマの排便シーンは初見です。 
アナグマの糞は特有な絵の具のような匂いがするそうなので、確かめないといけません。 

興味深いことに、この溜め糞場sはタヌキとアナグマが共有していることが判明しました。
糞の多い方や匂いの強烈な方がいずれは溜め糞場を独り占めするのでしょうか? (糞による匂い付けで熾烈な冷戦状態?)
異種の排泄した糞の上に対抗して排泄するのか、それとも2種は少し離れた場所に排便して共存するのかどうか、これから注目していきましょう。
この2種が夜の溜め糞場でばったり遭遇したら、どうなるのでしょう?

脱糞後のアナグマは一旦、画面左下隅の死角に消えてから画面の下から再登場しました。 
溜め糞場の周囲をうろついてから、林道を右へ走り去りました。 

赤外線の暗視映像でアナグマを撮ったのは初めてなので勝手がよく分からないのですが、アナグマの顔にトレードマークの黒い縞模様が見えません。 
白飛びしてしまっているのか、それとも、この個体は全身が白毛のアルビノなのですかね? 

ポケット版学研の図鑑9『フィールド動物観察』によると、
アナグマは、タヌキのように「ためふん」をします。ためふんをする場所は、巣の出入り口の近くにあります。ふんはタヌキのものににていますが、足あとや、ふんに昆虫が多く入っていることで区別できます。あさいあなをほって、そこにふんをします。(p78より引用)
この記述が正しければ、近くにアナグマの巣穴があることになります。 
しかし今回の個体は「浅い穴を掘って糞をする」ことはしませんでした。 
藪が多い山林で素人(アマチュア)がどうやったらアナグマの営巣地(セット)を見つけることができるのか、思案のしどころです。 
プロの研究者は、罠を仕掛けて生け捕りにしたアナグマに電波発信機を装着してテレメトリー調査で巣穴を見つけるのだそうです。 
賢い飼いイヌを山に連れて行き、得意の嗅覚を使って「ここ掘れワンワン」と巣穴を探り当てたらお手柄です。
例えばダックスフンドという犬種は元々、巣穴の中にいるアナグマを狩る目的で手足が短く品種改良されたのだそうです。
しかし私の目的は狩りや駆除ではないので、イヌが吠えて危険を感じたアナグマが巣穴を放棄して逃げてしまっては元も子もありません。
アナグマがホンドタヌキのように冬も活動する動物なのであれば、雪面に残った足跡を辿って巣まで追跡できそうです。
しかしアナグマはツキノワグマのように冬ごもり(冬眠)するので、その方法も使えません。




【追記】
群れメンバーは自分の群れのなわばりの境界のため糞にフンをする性質がある。(p114より引用)

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