2021年10月中旬・午後12:20頃・晴れ
スギを植林した山の斜面をトラバースする細い林道上にホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の立派な溜め糞dを新たに見つけました。
この日は新鮮な糞がドカッと追加されていて、私の鼻でも糞便臭を嗅ぎ取れました。
多数のベッコウバエ(Dryomyza formosa)が溜め糞に集まっていました。 少し離れたところから写真を撮った後に私が溜め糞へ近づくと、ベッコウバエの群れはほとんど飛んで逃げてしまいました。
糞の表面にはベッコウバエの卵がびっしり産みつけられています。
現場は日中も薄暗いスギ林なのですが、糞塊の一部に木漏れ日が当たっています。
溜め糞から逃げ遅れた個体♂が1匹で食事中でした。
黄色っぽい新鮮な糞の表面を口吻を伸縮させて舐めています。
腹背に黄金色の毛が密生しているのが♂の特徴です。
その間、溜め糞のすぐ横に生えた植物の葉の上で別個体の♂が乗って休んでいました。
交尾相手の♀が飛来するのを待ち構えているのでしょう。
スギ植林地の林床にはタヌキが通って来るほど餌が多いとは思えないのですが、雑木林から雑木林へ移動する獣道として利用しているのでしょう。
出来ればここもトレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視したいところです。
しかしカメラを固定する適当な立木などが近くにないため、後回しになっています。
この溜め糞dも定点観察に通ってみることにします。