2021/08/10

飛べ!ギンモンシマメイガ:室内に発生した寄生蛾の謎【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月中旬〜下旬・午後・ 

美しく珍しい蛾を室内で見つけました。 
2頭のギンモンシマメイガPyralis regalis)が天井近くの白壁に止まっていたのです。 
翌朝になると居なくなっていました。 
夜行性らしく、消灯すると活発になり、どこかに飛び立ったようです。 
その後も数日おきにぽつぽつと計4頭のギンモンシマメイガが現れました。 (一部は重複してるかも)
本種の成虫出現月は夏(7〜8月)とされているので、どうやら暖かい室内で季節外れに羽化した個体と考えられます。 

メイガ科らしく、いつも腹端を反らせた海老反り姿勢で静止していました。 
これはコーリング中の♀なのかな?
関連記事(6年前の撮影)▶ ノシメマダラメイガ♀(蛾)の性フェロモン放出:コーリング
白色LEDの照明を近づけても逃げません。 
蛾にしては美麗種だと思うのですが、室内でただじっとしているだけの蛾を撮っても動画ブログのネタとしてあまり面白くありません。 
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:38〜) 
壁や天井に止まっているギンモンシマメイガにそっと触れると、準備運動なしにすぐ羽ばたいて飛び去りました。 

ギンモンシマメイガ♀はスズメバチの巣に産卵し、孵化した幼虫はスズメバチの巣を食い荒らして育つことが知られています。
▼関連記事(12年前の撮影) 
コガタスズメバチの巣に寄生する蛾の幼虫 
コガタスズメバチの巣から羽化したギンモンシマメイガ(蛾)
半年前に採集したコガタスズメバチの古巣を標本としてこの部屋に保管しておいたので、今回の発生源として心当たりがあるのはそれです。 
営巣木テマリカンボクの枝ごと採集した巣の中に危険なコガタスズメバチ成虫が残っている可能性があったので、巣を丸ごと冷凍庫に数時間入れて凍結処理しました。
▼関連記事(半年前の撮影) コガタスズメバチの巣を晩秋に採集したら中から蜂が出てきた!【暗視映像】
これで巣内の虫はすべて凍死させたはずなのに、寄生蛾ギンモンシマメイガの幼虫/蛹は生き延びたことになります。 
雪国に生息するギンモンシマメイガの越冬態は低温耐性が強いのでしょうか。 
スズメバチの巣内は断熱効果の高い多層の外皮で守られているので、内部まで十分に冷えなかったのかもしれません。 
その後、古巣を長期保存するために外皮の表面にクリアラッカーを繰り返し塗布しました。
有機溶剤は昆虫に毒性があるはずですが、巣内には浸透しなかったのでしょう。
関連記事(手法の説明)▶ コガタスズメバチの古巣に防腐剤処理して保存
その後は本来ならナフタレンなどの防虫剤と一緒に密閉容器に入れてコガタスズメバチの古巣を保管すべきだったのですが、納戸に放置したままでした。(密閉せず開放状態) 
春になって暖かくなり、寄主の古巣からギンモンシマメイガの成虫が続々と羽化してきたのだろう、と推理しました。

つづく→発生源と疑われるコガタスズメバチ古巣標本の内部を調べてみると…。 


電線で警戒声♪を発し羽繕いするコムクドリ♀(野鳥)

 

2021年6月上旬・午後16:40頃・晴れ 

街なかの電線にコムクドリ♀(Sturnus philippensis)が止まっていました。 
嘴を足元の電線に擦り付けています。 (転移行動?)
ジャー、ジャー♪と警戒声を繰り返し発していますが、風切り音と車の走行音のせいでかき消されてしまっています。 
近くに巣があるのかな? 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

鳴く際に半開きの翼を小刻みに震わせているのは、餌乞い行動を連想させます。 
この個体はてっきり親鳥♀(成鳥)かと思ったのですけど、巣立った幼鳥が親鳥に給餌してもらうのを待っている可能性もありますかね? 
しかし、幼鳥の嘴の色は成鳥の黒より淡い(ややオレンジ色)はずです。 
ということは、この個体はやはり成鳥♀でした。 


やがて、コムクドリ♀は嘴で胸の羽毛を整え始めました。 
足で胸を掻いたりもしたので、どうやら胸が痒いようです。 
羽繕いが済むと、最後は電線で方向転換してから右に飛び去りました。 
近くに営巣木があるはずですが、見失ってしまいました。 
巣の位置をヒトに知られたくない親鳥は、私が見ているせいで帰巣するのをためらっていたのでしょう。


2021/08/09

キショウブの花で採餌するトラマルハナバチ♀

 

2021年6月上旬・午後18:40頃・(日の入り時刻は午後19:01) 

道端の湿地に咲いたキショウブの群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀数匹が訪花していました。 
正当訪花で吸蜜していますが、後脚の花粉籠は空荷でした。 
胸背に黄色い花粉の塊が付着した個体を見つけました。 

※ 薄暗い夕暮れ時なので、手持ち夜景モードで撮影しました。 
それでも蜂の早い動きがぶれてしまっています。

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