2021/04/21

フクラスズメ(蛾)幼虫の威嚇姿勢

 

2020年11月上旬・午後15:00頃・小雨 

家で飼育している個体のために、天気が悪くても新鮮な食草を調達しに来ないといけません。
農道沿いに自生するカラムシの群落には様々な大きさ(=齢)のフクラスズメArcte coerula幼虫が見つかりました。 
状態の良い(食痕の少ない)カラムシの株を採取する前に、先客のフクラスズメ幼虫を取り除きました。
そのついでに、動画を撮ってみました。 
おそらく終齢と思われる丸々と肥えた個体がカラムシの葉裏に隠れていて、海老反りの威嚇姿勢を取りながら脱糞していました。 
その葉をそっとめくってみると、危険を感じた幼虫が身を捩って暴れました。 
(フクラスズメの)幼虫は危険を感じると頭部を反らせ、緑色の液体を吐き出しながら頭部を激しく横に振る。(wikipediaより引用)
葉裏にしがみついた歩脚の爪をそっと引き剥がして私の手に乗せてみても、フクラスズメ幼虫は噛み付いたり、緑の体液を吐き戻したり、下痢便を排泄したりしませんでした。 
いつも決まりきった自衛行動をする訳ではないようです。
指先で体をつついても、上半身を激しく振って抵抗するだけでした。 
体表に毛が疎らに生えていますが、素手で触っても全く痛くありません。 
派手な体色でいかにも警告色のように見えますけど、体内に毒を溜め込んではいないそうです。 
つまり警告色に見せかけたブラフ(擬態?)ということになります。 
最後は食草の上にそっと戻してやりました。

2021/04/20

漁のため朝の川に飛んで出入りするダイサギa(野鳥)

 

2020年11月下旬・午前7:00頃・くもり
前回の記事:▶ 朝霧の立ち込める川で朝食の魚を探すダイサギb(冬の野鳥)
街なかを流れる川でラインセンサスを続けると、少し離れた地点でもう1羽のダイサギArdea alba)を見つけました。 
流れる川の中で朝から佇んでいます。 
歩き始めたと思いきや、すぐに川から飛び立ってしまいました。 
急上昇するとすぐに左旋回し、川下へ飛び去りました。 
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
飛びながら苛立ったようにグァー♪(ガララララ…♪)と嗄れ声を何度も発しました。 
これがダイサギの警戒声なのでしょう。 

 ※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

私が堤防路からカメラを向けたのを嫌ったのかと思ったのですが、近くの橋の袂を歩いて来た女性を警戒したようです。 
流し撮りで行方を追うと、ダイサギaは川岸に立つ針葉樹(松?)の梢に着陸しました。 
朝日を浴びながらしばらく樹上で休んで周囲の安全を確かめると、橋の下の川に急降下で舞い降りました。 
優雅な滑空を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
たまたま同時に1羽のカルガモも下流から飛来し、ダイサギとほぼ同時に着水しました。 

川に戻ったダイサギは少し羽繕いすると、コンクリートの護岸沿いに上流へ遡行し始めました。 
よく見ると、この個体も「足踏み追い出し漁」をしています。 
岸辺の水中に嘴を素早く突き刺して見事に小魚を次々に捕らえて食べました。 

この日の朝のラインセンサスで見つけたダイサギは結局2羽だけでした。 
集団塒から夜明け前にバラバラに飛び去ったダイサギは、川でもそれぞれが単独で採食していました。 
この川の流域は餌資源量があまり多くないので、ダイサギの各個体は広い縄張りを必要としているようです。 
ダイサギの群れが共同で(狭い範囲で)獲物を捕食するシーンを私は見た記憶がありません。 (※追記参照)
当地のこのような状況では冬塒の「情報センター仮説」が成立しないのは当然だと思います。 
私が場所を知らないだけで、どこか餌が豊富な漁場でダイサギの複数個体が集まっている可能性はあります。
しかし何かが絶対に「無い」ことを証明するのは不可能で、悪魔の証明です。
塒に集まるダイサギの全個体にGPSを装着して行方を追跡すれば疑問の余地なく解明できるはずですが、ハイテク機器に頼れないアマチュアは知恵を絞って他の調査法を考えます。 

つづく→


※【追記】
過去の記録を調べ直してみたら、同じ川の流域で2羽のダイサギが集まっている例を一度だけ観察していました。
▼関連記事(4年前の撮影)

ダイサギの警戒声を声紋解析してみる

オリジナルの動画から音声をWAVファイルに抽出しました。 
ダイサギaが飛びながらガラガラ声で3回鳴いた部分を切り取って※、スペクトログラムを描いてみました。 
ハクセキレイの鳴き声も混じっているのが残念です。
(※カメラをズームインするノイズが入った部分は除外しています。)

墓地で湯呑茶碗をもて遊んでいたニホンザル♀がうっかり落として割る!

 

 2020年12月上旬・午前11:50頃・くもり 

山麓の集落に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが山から降りてきていました。 
村の墓地で若い♀(子ザル)が石の上に乗っています。 
なぜか湯呑茶碗を手に持ち、墓石の上で転がしたりしたりして感触を楽しんでいました(遊び)。
中には酒(雨水?)が入っていたので、お供え物として墓地に置いてあったのでしょう。 
ニホンザルが湯呑を自分で持って墓石によじ登ったのか、それとも墓石の上に誰かヒトが乗せておいた湯呑を見つけて遊んでいたのか、不明です。 
私に気づいて目線をくれた途端に子ザルの集中力が途切れ、手が滑って湯呑をうっかり下に落としてしまいました。 
陶器の湯呑茶碗はガチャン♪と音を立てて割れてしまったようです。 
子ザル♀はきまり悪そうに墓石から慎重に地面に降りて、姿を消しました。 

映像を見れば分かるように、子ザルは決して湯呑をわざと割った訳ではなく、好奇心の強い子供らしいただの過失(粗相)です。 
後から割れた湯呑だけを見て「けしからん!猿に湯呑茶碗を割られた」と怒るヒトがいるかもしれませんが、山村の猿害対策としては墓地にお供え物(食料)を放置せずに持ち帰ることも重要です。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

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