2013年5月上旬
資材置き場を徘徊するネコハエトリ♂(Carrhotus xanthogramma)成体を発見。
同一個体の跳躍シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
左の第4歩脚だけが細いのは、再生肢なのかもしれません。
レンズに向かって跳び付いてくる様子が可愛らしくもあり、迫力の映像が撮れました♪
この日は付近に♀の姿を見かけませんでした。
例年より繁殖期が遅れているのでしょうか。
『瞬間をとらえる:生物のハイスピード写真集』p90によると、
(ハエトリグモの)極めて素早いその跳びかかり方は、実は筋力によって生み出されたものではなくて、脚内の水圧作用によってもたらされるものである。
2013年10月下旬
農村部の車道でハシボソガラス(Corvus corone)が硬いクルミの実を割っていました。
路上に転がったクルミを嘴に咥えて真上にフワリと飛び上がると、空中で(電線の高さから)クルミの実を落としました。
舗装路の真ん中でクルミの実を脚で押さえながらつついたり咥えたりしていると、坂の上から軽自動車が下りて来ました。
幸い車は徐行してくれましたが、カラスは慌てず騒がずクルミを持って歩道へ移動。
この辺りのカラスはクルミの実を車に轢かせて割るという文化は伝わっていないようで、私は一度も見たことがありません。
昼間も交通量の少ない過疎地域なので、カラスも車をあてにせずに根気強く自力で割るしかないのでしょう。
私が近づいて続きを撮ると、再びクルミを咥えて飛び上がり、電線に止まりました。
すぐに飛び上がると空中でクルミを落としました。
二度、三度と投げ落としを根気よく繰り返します。
最後は電線に止まったままクルミを少し放り投げて下に落としました。
ようやくクルミが割れたようです。
拾い上げると、横っ飛びに飛んで隣の田んぼに持って行きました。
(私に見られているのを嫌ったのかな?)
更に近づいてから続きを撮ります。
畦道の雑草に隠れてよく見えませんが、割れたクルミの穴をほじくって中の実を採食しているようです。
途中でなぜか目の前のイネ科の草(メヒシバ?)をちぎり取りました。
やがて食べかけのクルミを咥えたまま畦道から稲刈り後の田んぼに下りると、刈株の横の地面に埋め始めました。
次にその上から藁を被せて隠しました。
歩いてその場を離れると畦道に戻りました。
隣の田んぼには別個体のカラスが畦道を歩いて地上採食中。
仲間に盗まれないよう、隠し場所を欺く行動をとるのかどうか、見ている私は興味津々。
この田んぼは段々畑というか、左から右へ階段状に下がっています。
そのため、一段下にいるカラスからはおそらくクルミの隠し場所は見えていないと思います。
クルミを貯蔵したカラスも安全だと判断したようで(心の理論)、畦道でカーカー♪鳴いてから飛び立ち、離れた電柱に止まりました。(完)
カラスの貯食行動を見るのは初めてです。
今思うと、カラスが貯蔵したクルミを見に行けばよかったですね…。
何か他の宝物も一緒に埋まっていたかもしれません。
隠し場所に下手に近づくとカラスに攻撃されたかな?
一方クルミの側から考えると、カラスが地中に埋めたのは殻を割り実をほじくった後なので、種子散布には寄与していないと思われます。

