2013/07/08

ウスバアゲハ♂の羽化【10倍速映像】



2013年5月下旬・室温17℃

ウスバアゲハ♂の飼育記録6

ウスバアゲハ(旧名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が蛹化してから10日後。
早朝に容器を覗いてみると、待望の成虫が薄い繭を破って脱出していることに気づきました。
未だ短翅の状態で容器の底にひっくり返ったまま起き上がれず、仰向けに倒れていました。
羽化に備えて容器内に止まり木を用意したのに滑落した模様。
(枯葉などを敷き詰めておくべきでした。)
未だ蛹便(羽化液)を排泄していないので、これから翅が伸展するはずです。
割り箸を差し出すとしがみ付いて登り始めたので一安心。
翅を伸ばす場所を求めて落ち着かなく歩き回ります。
ようやくウスバサイシンの葉にしがみつくと落ち着きました。

これまで何種類かの蝶を室内飼育で羽化させてきましたけど、今回は翅伸展がなかなか始まらないことが少々意外でした。
繭から脱出してX分後には翅が固まってしまう、という単純なプログラムではないようです。
羽化不全の事故を防ぐために、安心して翅を伸ばせる止まり木を見つけるまではスイッチが入らない仕組みがあるのでしょう。

みるみる翅が広がる様子を10倍速の早回し映像でご覧下さい。
蝶の重みでウスバサイシンの葉が少しずつ垂れ下がってきます。
後半は朝日を浴びながら、伸び切った翅の開閉や口吻の伸縮が見られます。
(蝶の口吻は羽化の際に左右2本の管が合わさって1本の管になります。)

羽化したウスバアゲハ成虫は♂でした。

・雌雄の区別:♀は毛が少ない。(『ヤマケイポケットガイド9:チョウ・ガ』p24より) 
・♂は体の背面に軟毛を密生するが、♀では毛が少なくほとんど裸で、また交尾後の♀は腹端に受胎嚢をつける。(保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』p13より)

つづく→蛹便(羽化液)の排泄

羽化前日の繭と蛹









ダイサギ(野鳥)の羽繕い



2013年5月下旬

遊水池の岸辺に生えた芦原でダイサギArdea alba)の若鳥※が佇み、羽繕いしています。
水面に映る白い影も風情がありますね。
背後でオオヨシキリの鳴き声♪が聞こえています。
ときどき嘴を大きく開閉するのですけど、ダイサギの鳴き声は聞こえません。
欠伸なのかな?

※ 『科学のアルバム:シラサギの森』p11によると、

ダイサギの親鳥の嘴は、くすんだグリーン。若鳥の嘴は、鮮やかなオレンジ。
ダイサギはクチバシが長く、眼下にある口角の切れ込みが眼より後ろまで食い込む

欠伸?

2013/07/07

ヘビイチゴに訪花吸蜜するサトジガバチ♂【ハイスピード動画&HD動画】



2013年5月下旬

里山の麓で林縁の駐車場(標高〜300m)の隅に生えたヘビイチゴの群落で一匹のジガバチが訪花して花蜜を吸っていました。
黄色の花から花へ飛び回る様子を240 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
春にジガバチを見たのは初めてです。
顔が白いことから♂と判明。
♀よりも♂が先に羽化してくる(雄性先熟)のでしょうか?



同一個体を通常のHD動画でも撮ってみました。
吸蜜しながら閉じた翅をリズミカルに上下しています。
飛翔筋のアイドリングなのかな?
このとき似我似我♪と鳴く声は聞こえませんでした。




キイチゴや草イチゴの類を見分けるのは苦手なのですが、この群落で定点観察に通って花や実を検討した結果、ヘビイチゴと判明しました。







ヤマジガバチ(Ammophila infesta)とサトジガバチ(Ammophila sabulosa nipponica)を見分けるのはとても難しいので、同定のため撮影後に蜂を採集しました。
参考資料のサトジガバチ/ヤマジガバチ比較標本写真(by 大阪市立自然史博物館の松本さん:「ヒゲおやじの投稿掲示板」の投稿No.62455)を元に調べてみると、今回の個体はサトジガバチ♂(Ammophila sabulosa nipponica)だろうと分かりました。

サトジガバチ♂の中胸背板は点刻が横方向にしわに紛れている。(一方、ヤマジガバチ♂中胸背板の点刻は後方で弱いしわに紛れることがあるもののそれぞれ独立している。)胸部側面の点刻は大きく明瞭で密。しわ状になることが多い。(一方、ヤマジガバチ♂胸部側面の点刻はやや小さく不明瞭。♀に比べるとやや密。)
採集地の環境は確かに「山」というよりも「里」でした(標高〜300m地点)。
背面@方眼紙

胸背

胸背

単眼。顔の毛が面白い。

左胸部側面

左胸部側面

右胸部側面

右胸部側面

腹背

腹部側面


腹面

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