2012/05/08

ウグイス♂の鳴き声♪を声紋解析してみる【野鳥】



2012年4月下旬


未だ根雪が残る静かな里山に「法、法華経♪」とウグイスの美しい囀り(さえずり)声が響き渡っていました。
個人的に、今季初めて聞いたかもしれません(初鳴き)。
あまりにも大音量で聞こえてくるので、すぐ近くのアカマツの樹上を見上げてみました。
すると声の主の姿を奇跡的に発見!
フジの細い蔓がアカマツの枝と複雑に絡み合っている薮の奥に小鳥が止まっています。
繰り返し鳴く声と嘴の動きが一致している(リップシンクロ)ので間違いないでしょう。
どうやら縄張りを宣言しながら羽繕いしているようです。
啼くよウグイス平安京!

威嚇のいわゆる「谷渡り」(ケキョケキョケキョケキョ♪@2:38-2:41)はなぜか不発に終わりました。
最後は隣の枝に飛び移り、完全に死角に隠れてしまいました。
撮影終了直後に枝から飛び去りました。


ウグイス♂鳴き声の声紋解析

元の動画ファイルから音声をwav形式にデコードしてから「ホーホケキョ♪」と鳴いている部分を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
撮影した4分間でこの♂はなんと25回も囀りを繰り返しました。
カメラのズーム音が混入した第3回目および第24、25回目の囀りは解析の対象から除外しました。
不発の谷渡りは囀りの15回目と16回目との間に鳴きました。

9回目の囀りを切り出す際に冒頭に入ってしまった「チャチャチャッ♪」という鳴き声はウグイス♂の地鳴きなのだろうか?


2回目は他の野鳥の鳴き声が混入。















18回目は他の野鳥の鳴き声が混入。






不発の谷渡り
 各回の声紋を重ね合わせて平均をとればウグイス♂による囀りの典型的な声紋が得られるのかもしれませんが、素人には具体的な方法が分からないので、生データをそのまま掲載します。
並べて眺めているだけでも、なんとなく特徴的な声紋が見えてきます。
耳で聞くと同一個体の囀りにも微妙な長短、高低のバリエーションが明らかに存在します。(同一の主題による変奏曲)
ホーホケキョ♪の冒頭ホー♪の部分に重なってチャチャチャッ♪と舌打ちのように聞こえるときがよくあるのですが、声紋にも如実に現れています。
果たしてこれが同一個体♂による地鳴き(笹鳴き)の成分なのか、バードウォッチング経験の浅い私には分かりません。

【追記】
『野鳥を録る』p209によると、
ウグイスのさえずりにも「ホー」の部分が2,500Hzと高いH型(High)の「ホーホケキョ」と1,700Hzと低く鳴くL型(Low)の「ホーホケキョ」があり、それぞれ意味があるそうです。
高い声は♀へのラブコール、ドスの効いた低い声は隣接する縄張りの♂への威嚇や宣言の意味らしい。
さて、私の聞いた囀りはどちらの型でしょう?

今回私の解析した声紋にはどれも16,000Hz付近で不自然な上限があります。
これはカメラの仕様で音声をac3形式に圧縮しながら録音するため非可聴域が失われたせいです。




2012/05/07

フキノトウに訪花するクジャクチョウ【ハイスピード動画】




2012年4月下旬

越冬明けのクジャクチョウInachis io geisha)が道端に咲くフキノトウ(フキの蕾)の群落で蜜を吸っていました。
この日は日差しが強く暑いせいか、翅を閉じたままでなかなか広げてくれません。

どうしても広げた翅を拝みたくて、最近マイブームのハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
花から飛び立つシーンのスローモーションは流石にフォトジェニックですね。

2012/05/06

ハシブトガラスの鳴き方♪【野鳥】



2012年4月中旬


街中の川岸でハシブトガラスCorvus macrorhynchosが杭に止まっていました。
本種特有の澄んだ声でカーカー鳴いています。

鳴くときは喉が膨らむのも特徴です。
鳴く姿勢や鳴き声などハシボソガラスとの比較はこちら(超図解!これがハシブトガラスだ!)をご覧下さい。

やがて飛び立つとすぐ対岸に下りて鳴き続けました。
同一個体を追いかけて行くと今度は木の枝に止まりました。
さっきよりも低音でゆっくり鳴いています。
最後は下流へ飛び去りました。


身近にいるカラスが何と言って鳴いているのか知りたいところです。
今回観察した同一個体による2種類の鳴き方を自分で声紋解析してみたかったのですが、車や工事の騒音とか川の水音が混じってノイズが多いので諦めました。
一世を風靡したバウリンガルのカラス版があれば楽しそうですね。


【追記】
『日本動物大百科4鳥類Ⅱ』p171より
(ハシブトガラスは)胸の羽毛を引き締め、前傾姿勢をとって鳴く。ハシボソガラスは胸の羽毛をふくらませるので、区別できる。


ランダムに記事を読む