2011/01/02

キツネノチャブクロ(ホコリタケ)の胞子放出




2010年10月下旬

林縁でホコリタケ(別名キツネノチャブクロ;Lycoperdon perlatum)と思われる群落が地面から生えていました。
天辺の穴から褐色の胞子が放出するシーンを観察するために、7個の茸を順に指で摘んだり棒で突ついてみました。

後で思うと、もう少し自然な演出をすれば良かったですね。
木の実を上から落としたり、雨粒を模して水をキノコに垂らしたりして、スーパースローの映像にすれば格好良い作品になりそうです。
 


コガタスズメバチの壊れた巣の再建策




2010年8月下旬・気温26℃

コガタスズメバチVespa analis insularis)の門衛が辺りを見張りつつ中から巣口周りの外被を噛んで拡張していました。
かじり取った巣材を丸めると巣内に搬入したので、育房の材料として再利用するのだろう。
外被上を徘徊していた小さなアリに門衛が大顎で攻撃を加えました。
しかしアリが小さすぎて有効な攻撃になっていません。
横の林道を車が通ると振動で門衛が警戒している気がします。
巣を壊されたトラウマが残っているのだろうか。
やがて一匹のワーカーが帰巣しました。
集めてきた巣材ペレットを門衛に渡し、またすぐ出巣しました。
巣材をもらった♀(創設女王?)は外被上を少し点検して回り、結局巣内に戻りました。
この非常時には外被の再建よりも育房の増築を優先するのだろうか※。
映像を見る限り計4匹以上の♀成虫が残っているようです。
巣の破壊前後で個体数の増減は不明です。


※ 同じ日に外被の増築も見てますので(シリーズ#27参照)、外被の修復が一段落付いたということなのかもしれません。
 

その後は忙しくなり滅多に通えなくなりました。
巣は小さいままで蜂の姿もいつの間にか見なくなりました。
10月下旬、 解散後の巣を調べてみることにしました。
壊れかけた外被はあまりにも脆くて全体を採集できませんでした。
中の巣盤は一層だけでした。


 育房数は28.5室しかなく、未受精卵 孵化しなかった卵が1個だけ残されていました。(スズメバチの未受精卵は♂になる。)


コガタスズメバチ巣の再建(3倍速映像)




2010年8月下旬

コガタスズメバチVespa analis insularis)の壊れた巣は初期巣の時より小さいサイズになってしまいました。
逃去せず居残った成虫が健気に外被を再建する様子を3倍速の早回し映像でお届けします。
ワーカーが出巣する際、口に何かゴミを咥えて捨てに行くことがあるようです。
誰かに悪戯もしくは駆除された可能性をどうしても拭い去れないのですが、なによりも気になるのは創設女王の安否です。
個体識別のマーキングを施さなかったことが悔やまれます。
女王が亡失するとワーカーが未受精卵を産卵するようになり、今後♂ばかりが羽化するはずです。
しかし門衛を務める♀が大型なので、これが創設女王のような気がします(希望的観測)。 
次に気になるのは手狭になった巣内の様子です。
女王が無事だと仮定して、この非常事態に創設女王はワーカーを増員しようとするだろうか。
それとも8月下旬という時期を考え、残り少ないシーズン中に少数でも次世代の新女王や♂を残そうと繁殖戦略を切り替えるだろうか。
当初の家族計画が狂ってしまった女王の対応に注目です。
外被の球対称性が失われ歪な形状になっても、今外被のどこに新しい巣材が必要とされているか各自がきちんと判断できるようです(造巣行動の融通性)。
できれば巣の破壊直後から再建する様子を観察したかったです。
スズメバチの巣盤は外被を中から削り取った巣材を再利用して作られるのが原則です。
外被の修復と同時に育房の増築も迫られるこの非常時には、初期巣の段階(創設女王の単独営巣期)のように外で集めてきた巣材を直接使って育房を作るのだろうか。
知りたいことは幾つもあるのに、中が見えないのが残念。
つづく
 


ランダムに記事を読む