2022年11月上旬・午後10:30頃・晴れ
湿地帯を囲むコンクリート護岸に残されたホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場uを久しぶりに見に来たら、新鮮な糞が追加されていました。
糞にたくさん含まれている黄色い粒は、未消化のトウモロコシのようです。
この近くに飼料用のデントコーンを栽培する畑があったので、タヌキがそこで収穫後のトウモロコシ落ち穂を拾い食いしてきたのかもしれません。
それとも、近所で生ゴミや残飯を漁ってトウモロコシにありついたのかな?
ベッコウバエ(Dryomyza formosa)の♀♂ペアが交尾しながら口吻を伸縮させて獣糞を舐めていました。
獣糞上を歩き回る♀♂ペアがバランスを崩して横倒しになり、ようやく♀の姿も見えました。
ベッコウバエは腹部の色で性別をかんたんに見分けることができます。
♀の腹部は黒く、♂は黄土色で黄金色の毛が密生しています。
よく見ると、♀にマウントした♂aは交尾器を結合しておらず、♂aは配偶者ガード(交尾後ガード)しているところでした。
やがて、あぶれ♂bが登場します。(@0:44〜)
実は冒頭のシーンから溜め糞上に来ていました。
糞塊をせかせかと歩き回り、交尾ペア♀♂aに正面から近づきました。
そのまま交尾ペアの♂aにマウントしたものの、すぐに相手が♀ではないと気づいて自発的に離れました。
交尾後ガードしている♂aがあぶれ♂bを撃退したようには見えませんでした。
しばらくすると、更に別個体♂cが糞塊に飛来しました。 (@1:06〜)
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@1:33〜)、腹背が黒くないのでcは♀ではなく♂と分かります。
♂cが溜め糞に着地した瞬間に横に居たあぶれ♂bが反応して向き直り、正面から飛びつきました。
背後からマウントしながら方向転換して体の向きを揃えたものの、交尾には至らず離れました。
今回は飛びついた相手cが♀ではなく♂だと気づくのに少し時間がかかりました。
飛びつかれた♂がヒキガエルのようにリリースコール(「離せ!」)を発音していたら面白いのですが、私の耳には聞き取れませんでした。
♂bに襲われた♂cは驚いて(嫌がって?)飛び去ってしまいました。
失敗続きでも、あぶれ♂bはめげません。
あぶれ♂bは苛々と翅を素早く開閉して黒い斑点模様を見せつけながら、再び交尾ペア♀♂aにアプローチしました。
再度♂aにマウントを試みるも、誤認求愛と気づいて離れました。
ベッコウバエの♂は♀に対して儀式的な求愛行動をしないようです。(翅紋誇示が求愛なのかな?)
いきなり相手に飛びついて背後からマウントします。
しかもベッコウバエ♂は周囲で動くハエには誰彼構わず飛びついて交尾を挑むことが分かりました。
相手に触れてみて初めて性別が認識できるようです。
♂同士の闘争で交尾中の♀♂ペアから♀を強奪することはありませんでした。
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