2021年10月中旬・午前11:50頃・晴れ
郊外の道端で交尾中のノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)♀♂ペアがコンクリート塀の天辺に止まっていました。
♂は翅を深く下げて休んでいます。
コンクリートに映る翅の縁紋や翅脈の影も美しいですね。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:17〜)
私がノシメトンボ♀♂の目の前で脚を動かして蹴る素振りをして飛び立たせました。
更に再生速度を落とした1/40倍速のスローモーションを見ると、 ♂が先に反応して飛び立ち、続けて♀も羽ばたき始めていることが分かりました。
交尾姿勢のまま、♂が主導権を握って飛び去りました。
コンクリートの塀だと私が思っていたのは、ソバ畑と車道の境界となる土留めでした。
直前までノシメトンボ♂は翅を深く下げていたので、飛び立つには一度翅を上げてから打ち下ろす必要があります。
本当の捕食者が襲ってきたときなど危機に瀕した際には明らかにタイムロスになるはずです。
どうして翅を深く下げて休む行動が淘汰されずに生き残っているのでしょうか?
予備動作無しでいきなりフルパワーで翅を打ち下ろすことができない理由が何かあるのかな?
飛んで逃げたノシメトンボ♀♂は隣のソバ 畑に逃げ込みました。
今度はソバの実に止まって交尾を続けています。
おかげで、側面のアングルで交尾姿勢がしっかり見えるようになりました。
♂の副性器に♀の尾端を接触して移精しているようです。
ときどき♂の副性器の辺りが動いているのは、連結角度を調節しているのか、精包を♀に送り込んでいるのでしょう。
今度も♂は翅を深く下げて休んでいました。
先を急ぐ用事があった私は、ノシメトンボ♀♂の交尾終了(連結解除)まで見届ける余裕がありませんでした。
(ノシメトンボの)交尾はおもに午前中。植物などに止まって行われる。(図鑑『日本のトンボ』p383より引用)
確かに今回の撮影時刻は正午前でした。
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