2019年10月下旬・午後・くもり
10月中旬に東日本を襲って河川の増水をもたらした令和元年東日本台風19号の爪痕が残っています。
ここは被害の小さい上流域ですが、川の水量が増えたままで、中洲が消失するなど川の地形が少し変わっていました。
洪水で漂着した大量の流木やゴミが川岸に付着していて見苦しい状態です。
普段から川で暮らすカワウ(Phalacrocorax carbo hanedae)への影響はどうでしょうか?
ここに集まるカワウの個体数がむしろ増えているようで意外でした。
ヒトの目には汚らしく見えても、カワウにとっては川岸に止まり木の数が増えた方が好都合なのでしょうか?
それとも以前の生息地が破壊されて仕方なくここに移動してきたのかもしれません。(※追記参照)
川が増水するとカワウの餌となる魚の数が増えるのですかね?
水が濁っていると魚捕りが難しくなりそうです。
少なくとも3羽のカワウが川面を遊泳し、ときどき潜水して魚を獲っていました。
下流に遊泳する際に、鳩が歩くように首を前後に動かしていました。
水面下では懸命に水かきを掻いているのでしょう。
水際の土壌が川に侵食されて大きく崩れています。
河畔林も荒廃しており、大木・老木が倒れていました。
しかし川岸に小規模ながらもカワウが集まる新たなコロニーが形成されていました。
対岸の倒木に1羽のカワウが止まっています。
実は初めもっとたくさん居たのですが、私が不用意に近づいたせいで逃げてしまいました。
カワウの他にはカルガモ(Anas zonorhyncha)、オナガガモ♀♂(Anas acuta)、マガモ♂(Anas platyrhynchos)が動画に登場します。
※【追記】
私はどうしても台風の増水がもたらした川の激しい撹乱を天災による環境破壊と捉えていたのですが、松原始『鳥類学者の目のツケドコロ』を読んで新しい見方を教わりました。
一年生草本から多年生草本、陽樹、そして陰樹という植生遷移をたどろうにも、すぐにリセットされて森林までたどり着けないのが河川敷なのです。(中略)洪水は一見すると自然を破壊しているように見えます。ですが、梅雨や台風による定期的な出水が、育ちすぎた植生を吹き飛ばし、新たな土砂を供給してフレッシュな砂州を作ることにもなっているのです。また、河川敷に生息する動植物にとって、洪水で流されることなど織り込み済みです。 (電子書籍版より引用)
カワウ(野鳥)@川岸:倒木 |
カワウ2(野鳥)+カモspp群れ@川面遊泳 |
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