2017年8月下旬
平地の花壇に咲いたユリズイセン(アルストロメリア)の群落でオオフタオビドロバチ(Anterhynchium flavomarginatum)が訪花していました。
吸蜜シーンをよく観察すると、正当訪花せずに花筒の根元の隙間から頭を突っ込んで蜜腺を直接舐めています。
雄しべに体が全く触れませんから、ユリズイセンの受粉を媒介しません。
これは盗蜜行動の一種ですね。
「花弁(花びら)や蕚(がく・花被片)の間から蜜を吸い取る。」タイプの盗蜜です。
茎を登り降りしているのは、獲物のイモムシを探索しているのかな?
(オオフタオビドロバチの性別の見分け方を知りません。)
後半は、葉に止まって身繕いを始めました。
実は、正当訪花っぽいシーンも稀にあったのですが、撮り損ねてしまいました。
ユリズイセンを園芸植物としてヒトが品種改良する間に、花筒が隙間だらけになってしまった、言わばセキュリティがユルユル、ガバガバになってしまったのではないかと思います。
ユリズイセンの原種にはこんな隙間は無かったのではないかと私は予想しています。
しかし、もしユリズイセンが主に球根で増えるのだとしたら、盗蜜されても大した損失は無くて、隙間の無い花筒を進化させて送粉者を限定する(花と虫の共進化)必要があまりないのかもしれません。
あるいは、ユリズイセンの花の形状と長い雄しべ、雌しべから考えると、想定している送粉者はハナバチではなく、大型のアゲハチョウの仲間なのかもしれません。
▼関連記事
ユリズイセンの花蜜を吸うキアゲハ
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
ユリズイセンの花から盗蜜する狩蜂を新たに見つけることができて、とても興奮しました!
(今までのリストは、フタモンアシナガバチ♀とエントツドロバチ♀。)
この日は更にもう一種類の狩蜂が盗蜜していました。(映像公開予定)
【追記】
花が赤い品種のユリズイセンに正当訪花して吸蜜する個体を観察しました。
関連記事(4年後に撮影)▶ アルストロメリアの花蜜を吸うオオフタオビドロバチ♀
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