2016/06/11

虫の死骸を吸汁するキアシアシナガヤセバエ



2016年5月上旬

湿地帯に生えたオノエヤナギの葉に止まっているスマートなハエが気になりました。
帰ってから名前を調べてみると、図鑑『札幌の昆虫』p193に登場するキアシアシナガヤセバエCompsobata japonica)らしい。

接写してみると、葉の表面を舐めています。
風が強く吹く日で、接写に苦労しました。
常に葉が揺れるので分かり難いのですが、葉そのものを舐めているのではなく、有翅アブラムシやチョウバエなど微小の昆虫を捕食しているようにも見えました。

snowmelt氏のブログ「北のフィールドノート」にキアシナガヤセバチの食性に関する興味深い動画付きの記事を見つけました。

食べるものは、葉の上に落ちている小昆虫の死体だ。
死体は、クモにやられた残りカスの様な気がする。
水場で水を飲む野獣のような姿勢で餌につく。
私の観察と同じ行動ですね。
屍肉食だと思ったのですが、まさか自ら狩りを行い獲物を仕留めた可能性もありますかね?
英語版ウィキペディアによれば、本種が属するマルズヤセバエ科の生態は
Adults are either predatory on small insects (for example Calobata in Britain[1]) or are attracted to excrement or decaying fruit.
無風の日にもう一度撮り直したいところです。

実は、このオノエヤナギの木の周りを同種と思われる多数の小さなハエが群飛していました。
配偶行動に関連するかもしれないこの群飛シーンも動画に撮るべきだったのですが、他のこと(営繭中のホシカレハ幼虫)に気を取られて忘れてしまいました。
複数個体を接写。
未採集、未採寸。
後で思うと、ハエに逃げられても良いから獲物を回収して正体を突き止めるべきでしたね。


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