2013年9月上旬
山道でオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)がうろうろと地面を徘徊していました。
草によじ登って飛び立つも、力なく落下。
翅に目立った破損は無いのに飛ぶ力が弱っているようです。
後脚の花粉籠は空荷でした。
このような瀕死のマルハナバチをたまに路上などで見かけますけど、寿命が近いのか、ひょっとすると農薬散布の影響か、ぐらいにしか思いませんでした。
樹液や腐りかけの果実に来るスズメバチなどは発酵したアルコール摂取のせいで酩酊することがあります。
関連記事→「泥酔したモンスズメバチ」しかしそのような酒場で一度もマルハナバチを見たことがないので、今回の飛べないオオマルハナバチ♀が酔っ払っている可能性は考えにくいと思います。
この近くで有毒植物のホツツジを訪花するハナバチ(クロマルハナバチ♂、クマバチ♀)を最近見ていたので、別な可能性を思いつきました。
ホツツジに含まれるグラヤノトキシンという神経毒(Na+チャンネル開口毒)による中毒症状ではなかろうか?
植物側の思惑としては、受粉を媒介してくれて共生関係にある蜂に致死量の毒を盛ったりしない筈です。
しかし誤って(調子に乗って)致死量を越えて吸蜜してしまったワーカー♀は帰巣できずに死んでしまうでしょう。
その代わりに、巣で育つ蜂の子(幼虫)は毒を盛られずに済み、全滅を免れるかもしれません。
神経症状を呈した蜂の死骸から訪花植物由来の毒が検出されるかどうか、調べてみたいところですけど、素人の手に余るテーマですね。
グラヤノトキシンを特異的にブロックする解毒剤を投与して症状が回復すれば決定的でしょう。
(ワーカーではなく新女王の可能性は?)
【追記】
古本で日光植物園ガイドの記事を読んでいたら、次の記述を見つけました。
確かに言われてみれば、私もマルハナバチ♀の訪花シーンは未だ一度も見ていません。(クマバチ♀はホツツジで見ています)
マルハナバチの♀がホツツジの花を忌避するのだとすれば、それはそれで面白いですね。
(ワーカーではなく新女王の可能性は?)
【追記】
古本で日光植物園ガイドの記事を読んでいたら、次の記述を見つけました。
マルハナバチ類の♂をみてみたい人はこの時期(梅雨明け)にホツツジの花をさがすとよい。なぜかこの花には♂ばかりが訪れている。(『Newton special issue 植物の世界 ナチュラルヒストリーへの招待 第4号』p17より)
確かに言われてみれば、私もマルハナバチ♀の訪花シーンは未だ一度も見ていません。(クマバチ♀はホツツジで見ています)
マルハナバチの♀がホツツジの花を忌避するのだとすれば、それはそれで面白いですね。
【追記2】
この問題を考え続けて8年後にようやく進展がありました。
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