2012/10/09
オオシロフクモバチ♀による巣穴の閉鎖
2012年7月下旬
神社の境内の地面で黒い蜂が何かしていました。
私が近づくと驚いて近くの板壁に避難しました。
オオシロフクモバチ♀(旧名オオシロフベッコウ)と後で分かりました。
身繕い中の写真を見直すと、口から何か吐き戻しているように見えます。
もしかすると狩って貯食したクモの体液だろうか?
やがて落ち着くと蜂は地面に戻って作業再開。
低空飛行と着陸徘徊を繰り返します。
閉鎖中の巣穴をようやく探し当てました。
軽く曲げた腹端を左右に動かしながら地面に激しく叩きつけて突き固め始めました。
整地しながら前脚で砂を後方に掻いています。
新たに巣穴を掘っているのではなくて、埋め戻し用の砂を調達するために穴を掘っているのです。
(偽坑でもないようです。)
辺りから大顎で小石を咥えて来ると、埋め戻し地点に運びます。
更に突き固め行動を繰り返します。
かなり大きな石も運ぶようになり、巣口のあった場所を隠蔽偽装しています。
あちこちから小石や砂、ゴミなどを掻き集め、万遍なく整地を続けます。
巣穴の埋め戻しと念入りに行った偽装工作にようやく満足したのか、急に飛び立ちました。
こうしてオオシロフクモバチ♀と初めての出会いは営巣行動の後半部だけ私に見せてくれました。
蜂の名前を知ったのは帰ってからのことで、現場では初めて見る蜂が見たこともない行動をしている!と興奮しました。オオシロフクモバチ♀はクモを狩って麻酔すると、地面に巣坑を掘ります。
獲物を運び込むと産卵してから埋め戻します。
後で思うと、巣穴を発掘してみればよかったですね。
この日は発掘の道具や採集容器などの用意をしてませんでした。
蜂の偽装工作のせいで巣穴がどこにあったかすっかり見失ってしまった、ということもあります。
営巣の1サイクルが完了した蜂は飛び去ったと思いきや、すぐ戻ってきて先程とは少し離れた地面を思わせぶりに徘徊し始めました。
狩りモードに切り替わり、早速次の獲物を探し始めたのでしょうか?
現場ではクモバチ科との確信がなく、もしやアリジゴクを狩る蜂なのかと思ったりもしました。
しかしオオシロフクモバチの獲物は徘徊性のクモではなく、造網性のクモです。
撮影後に有り合わせのビニール袋で蜂を生け捕りにし、持ち帰りました。
つづく→「蜂蜜を舐めるオオシロフクモバチ♀」
この夏、オオシロフクモバチにはその後何匹も遭遇することになり、営巣行動の一部始終を観察することができました。
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